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  • 発売日:2004/06/25
  • 価格:ライブサービス:基本プレイ無料(アイテム課金),クラシックサービス:基本プレイ無料(アイテム課金),アデンサービス:基本プレイ無料(アイテム課金)
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リネージュ2
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[インタビュー]20年を経て生まれ変わる「リネージュII」は,PKなし,経験値テーブル変更など,日本独自仕様満載。一体どんな人が,どんなことを考えながら,何を重視して開発しているのだろう?
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印刷2025/04/05 00:00

インタビュー

[インタビュー]20年を経て生まれ変わる「リネージュII」は,PKなし,経験値テーブル変更など,日本独自仕様満載。一体どんな人が,どんなことを考えながら,何を重視して開発しているのだろう?

 4Gamerに,最初に「リネージュII」の記事が載ったのは,2002年3月14日。およそ23年前だ。2002年と2003年のTGSで一般ユーザーにもお披露目され,2004年の2月11日,ついに日本でオープンβテスト(以降OBT)が始まった。

オープンβ開始から1か月が過ぎた頃のアジト戦の風景。4Gamerで「リネージュII」のタイトルページを開いてみると,なんと53ページあって,記事執筆時点で1304件もの記事があった
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 OBTの登録者数11万人,同接2万人という,20年前かつPCのみだったことを考えると尋常じゃないレベルのユーザーを集めたリネージュIIだが,そのころのエヌシージャパンは,まだそこまで巨大な会社ではなかったので,
・前日深夜になって,配られていたクライアントソフトにバグが発覚
・13時から開始される予定だったβテストが,上記バグの問題で急遽15時からに
・その「15時から」というリリースは13時直前に行われ,プレイヤーにメールで知らされたのは14時

というなかなかの大混乱に陥っていた。(関連記事

 「2月11日」という日付で気が付く人も多いと思うが,この日は祭日。4Gamerも休日返上で,当時エヌシージャパンでリネージュIIを担当していたY氏とマメに連絡を取っていたが,その大混乱ぶりが昨日のように思い出される。しかしまぁこの頃は,そういうことも含めて「とても楽しいイベント」だったけれど。Y氏も,なんかもう,最後のほうにはウフウフ笑ってたし。

 よっしゃログインして記事でも書くかと思っても,尋常じゃないレベルのラグで1cmも動けず,5秒くらい動いたと思ったら10分止まる,みたいな超カオス(いやあ楽しかったですよ)。挙げ句,10分おきくらいにサーバーはダウンしていて,初日のMMORPGのお祭り感を十分に堪能できた記憶がある。
 もちろんエヌシージャパンも黙っていたわけではなく,凄まじい速さでサーバー増設などをしていたが,増え続けるOBTプレイヤーと,休みなくプレイする彼らの情熱に完全敗北を喫しており,しばらくの間,そのカオスは続いていた。

 しかし,当時最先端のグラフィックスと広大な世界観は,コアゲーマー達を完全に魅了した。

大先生は,2004年5月に行われた「リネージュII」正式サービス開始の発表会(関連記事)にもこっそり来ていた
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 リネージュIIと時を前後して筆者は,日本人ならば誰もが知っている超大物作詞家先生(割とゲーマー)とお知り合いになったのだが,その先生もドワっ娘で廃人プレイを始め,なんなら城まで持ってたりした。もう時効だろうから,きっと書いても怒られないはずだ。
 ほかにも,著名人が何人かプレイしているという噂は聞いたし,Ultima OnlineやEverQuest,リネージュなどのヒット作があったとはいえ,まだ「コアゲーマーのためのもの」だったMMORPGというものが「一歩外側に出られた」ことを感じられたのも,リネージュII(とファイナルファンタジーXI)が最初だ。

左:なぜかみんな中央に固まってぼーっとする。「なんか端っこに座ってると,落ちちゃうらしいよ〜」と言われ,落ちたらどうなるんだろうという恐怖に囚われていた2004年
右:5周年のときのプロデューサーインタビューで,「5周年を迎えられたのは,優良なユーザーとドワ娘のおかげ」と言われるほど大人気
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 そんなリネージュIIは,昨年2024年にローンチから20周年を迎えた。

 インタビュー中でも触れているが,2000年にサイトがオープンした4Gamerが,まだゲームメディアとしてよちよち歩きだったころにサービスが開始され,いまなお続いているわけで,個人的には古き良き戦友のような感じがしている。「おお,ちゃんと生きてたか(笑)」みたいな。
 カオスで楽しかったMMORPGを存分に体現したリネージュIIは,筆者にとってはとても大切なもので,大事に大事に記憶にしまってあったのだが,今回たまたま,リネージュIIの偉い人達が,新サービス「エヴァサービス」のあれこれで日本にこっそり来ていることを聞きつけた。

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 エヌシージャパンがサービス中のPC向けMMORPG「リネージュ2」で,4月9日に新サービス「エヴァサービス」が開始される。これに先駆けて,メディア向けの体験会でエヴァサービスの概要説明や実機での先行プレイが行われたので,その模様をお届けしよう。

[2025/03/21 18:00]

 聞けば,彼らは昨日や今日から“業務として”リネージュIIに関わっているわけではなく,みな百戦錬磨のツワモノであるようだ。
 タイミング的に,記事が出るころにはもうクローズドβテストは終わっているだろうし,おそらく巷に情報が出ているであろうと,エヴァサービスのことを根掘り葉掘り聞いても仕方ないだろう。であれば趣向を変えて,リネージュIIそのものや,運営している人そのものの話をしてみたいと思ってオファーしたところ,快諾いただけた。

 「普段はインタビューには出ないんです」と言っていたが,どうしてなかなか皆しゃべり慣れていて,色々なことを語ってくれた。誰も知らない最新の情報がふんだんにあるわけではないが,どんな人が,どんなことを考えながら,リネージュIIを開発/運営しているのかがよく分かる。
 プレイヤーの皆さんは,ぜひお読みいただきたい。

左:LineageII 海外企画チームリーダー キム・グンヨン(Kim-Keun-yeong)氏
大学生の時に,韓国のリネージュII CBTに当選したことをきっかけに,コアユーザーとしてプレイ。就職のシーズンで仲の良い大学の友人がNCSOFTに入社することになり,その友人から勧誘を受けて2006年に入社。入社後はリネージュIIのゲーム運営として,Quality AssuranceやGame Designの業務を担当し,現在は海外企画チームのリーダー

中:LineageII 事業室長 イ・インス(Lee In-soo)氏
学生時代からゲームが好きで,ゲーム会社で働くことに憧れて2009年にNCSOFTに入社。入社後,リネージュIIのGame Masterチームに配属,*その後リネージュIIのゲーム運営,事業全般を歴任。リネージュII事業部門のトップとなる。初めて入社した会社で,初めての仕事がリネージュIIで,現在もリネージュIIを担当

右:LineageII 開発室長 ハン・ヨンフン(Han-Young-hoon)氏
2006年に入社後,一度退社し,2010年にリネージュII開発室にいる友人の進めで再入社。これまで,リネージュIIのProduct Manager,Product Director(Producer)を歴任。現在は,リネージュII開発部門のトップとなる
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4Gamer:
 日本に着いたばかりだと聞いていたんですが,今日はお時間取っていただき,ありがとうございます。しかも3人もいらっしゃるとは!
 まずは,ちょっと遅れちゃいましたけど,20周年おめでとうございます。

一同:
 ありがとうございます。

4Gamer:
 実は4Gamerは今年25周年でして,「リネージュII」って4Gamerが生まれてまだよちよち歩きの頃に登場したタイトルなので,なんかこう,一緒に戦ってきた戦友みたいな感じがちょっとあります。
 それで……いや,3人も来ていただいたので,まず皆さんがどんな方なのかを先にお聞きしておこうかな。えーと,では右から順番にお願いします!

※2000年8月にサイトオープン

ハン・ヨンフン氏
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ハン・ヨンフン氏(以下,ハン氏):
 リネージュII開発室長の,ハン・ヨンフンと申します。

4Gamer:
 いきなり偉い人だった。ハンさんは,ここまでリネージュIIとどんな関わりなんですか?

ハン氏:
 2006年に,リネージュIIのスタッフとして入社して,途中で一度離れましたが,2010年に再びリネージュIIチームに戻りました。

4Gamer:
 さらりと言ってますけど,だいぶリネージュIIと長い付き合いですよね。

ハン氏:
 いやいや,そっちの2人はもっと長いですよ(笑)。

4Gamer:
 お,じゃあ続けて自己紹介お願いします。

イ・インス氏
「事業担当」などと言っていたが,実は「事業室長」(Head of Business Group Division)だ
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イ・インス氏(以下,イ氏):
 リネージュIIの事業担当をしている,イ・インスと申します。

4Gamer:
 どれくらいリネージュIIに関わってるんですか?

イ氏:
 2009年に,リネージュIIでプレイヤーのお問い合わせに対応する,カスタマーサービス担当として入社しました。それからGMとして活動して,運営を経て,BM(ビジネスモデル)のコンテンツやFQAの分析業務を担当し,最終的には事業そのものを進めることになりました。

※普通「FQA」というと「Functionality Quality Assurance」を指し,“function”の名のとおり,ゲームが正しく動作するかどうかの品質管理を行うことなのだが,NCSOFTでのFQAは「Fun Quality Assurance」のことで,実際にプレイして本当に楽しいかどうかをチェックするQAのことだ

4Gamer:
 いや,カスタマーサポートからGMになって,そのまま中に入って違う仕事を受け持って……というのは,昔のMMORPGスタッフの,王道出世パターンですよね。

イ氏:
 ははは。

4Gamer:
 でもいま聞いてる限りかなり社歴は長いですよね。失礼ですが,ちょっと若そうに見えたもので。おいくつですか?

イ氏:
 1984年生まれです。

4Gamer:
 84年! あんまり見えないですね(笑)。

イ氏:
 ありがとうございます(笑)。

4Gamer:
 ほかの二人にすごく貫禄があって“MMORPGの重鎮”という感じだったので,なんか一人若い人が混じってるなー,何する人なのかなー,って思ってました。すみません!
 次の方,お願いします。

キム・グンヨン氏
昨年,4Gamerのインタビューに1度出てもらっている(関連記事
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キム・グンヨン氏(以下,キム氏):
 海外企画チームリーダーのキム・グンヨンと申します。韓国国内で開発したリネージュIIを海外各国にサービスするための,ローカライゼーションを担当しています。

4Gamer:
 リネージュIIとは,どれぐらいのお付き合いなんですか。

キム氏:
 私は2006年に入社しました。実は室長(イ氏)と似たような経歴でして,最初はGMとして入社しました。その後は,リネージュIIに関連するさまざまなチームを1〜2年ごとに渡り歩きました……運営やカスタマーサービス,BOT対応など。中でもQA部門にはかなり長く,7,8年くらいいましたね。そこから開発を引き継いで,リードマネージャーも引き継いで,今に至っています。

4Gamer:
 ということは,2006年からずっとリネージュIIですか?

キム氏:
 はい。2006年からずっと,リネージュIIだけです。

4Gamer:
 韓国のゲーム業界では,皆さんみたいなのは割と普通ですか? 同じものにずっと携わってるというのは,ないとは言いませんがあまり聞いたことがありません。

キム氏:
 一般的ではないですね。ここにいる3人は,ちょっと特殊なケースだと思います(笑)。

4Gamer:
 いや,そうですよねえ……。
 普通は結構ぽんぽん,タイトルどころか会社も替わったりしますけど,そんな中,皆さんはずっとリネージュII一筋で。

イ氏:
 私たちだけでなく,リネージュIIは特に長く関わっている人が多いですね。アートディレクターなんかは,2002年から今までずっと変わっていません。

4Gamer:
 2002年から!?


愛されていなければ,厳しい言葉ももらえない。多くの人に愛される“本物の人生”を,これからもずっと運営していきたい


4Gamer:
 純粋な興味として聞くんですけど,飽きたりしないんですか。

ハン氏:
 正直に言うと,時々はそういう瞬間も確かにあります。それが全くないというと嘘になりますが,だけど,やっていてすごく楽しいのです。
 たぶんこれは……使命感と言ってもいいものかもしれませんが,その使命感がバックにあるからこそ,これまでやってこられたんだと思います。

4Gamer:
 その“使命感”ってどういう感じのものですか。

ハン氏:
 リネージュIIが自分の子供のように思えて,なんとかこの命を長く繋げたい,という。

4Gamer:
 (他の二人に)同じ感じですか。

キム氏:
 うん,そうですね。

イ氏:
 我々も長くリネージュIIチームで働いていますが,プレイヤーさんもやはり長年プレイされてる方が多いので,時には厳しい言葉もいただきます。でも,それこそ“愛情”がなければ,そのような言葉をいただけないと思うんです。

4Gamer:
 あぁ,それはそうですよね。どうでもいいと思っているものに,わざわざ意見なんか言うことはしないですから。

イ氏:
 ええ。ですのでやはり,プレイヤーの皆さんから言葉をいただいて,我々はもっと頑張らないといけないなと思います。もちろん私たちとプレイヤーさんでは立場が違いますが,それぞれリネージュIIへの愛情があるからこそ,このようなやり取りも発生するわけです。
 プレイヤーさんの中に,死ぬまでリネージュIIをプレイしたいと言ってくださった方がいて,そういうこともあるから,本当に責任をもってやらないといけません。使命感を感じますね。

キム氏:
 そんなプレイヤーさんにとっては,人生を生きていく中で,人生の一部としてリネージュIIが位置づけられていると思います。それは趣味であることもあり,日常の楽しみであることもあり……。
 リネージュIIは,人生を生きていく上で,新しい喜びみたいなものを加えることができるものになってほしいです。プレイヤーの皆さんに寄り添って一緒に続けていけるといいなと思いますし,それも私たちの目標の一つです。

4Gamer:
 確かローンチした時のキャッチコピーは「本物の人生、始まる。」とかですよね。ある意味,その言葉通りになってるという。


一同:
 はい,その通りですね。

4Gamer:
 そういったリネージュIIを好きでたまらないプレイヤーさんが大勢いたり,ここにいらっしゃる皆さんみたいな。リネージュIIへの愛にあふれた人達がサービスを運営してることも大事だと思いますが,それとは別に,20年続くのには何かしらの理由がきっとあると思います。ゲームは,そうでなくても流行り廃りが激しい業界なのに。
 その“理由”について,皆さんは何か思うところがあったりしますか?

イ氏:
 「うまく運営すること」が非常に大きなポイントだと思います。
 ここにいるメンバーもそうですが,リネージュIIチームは全体的に運営GM出身の人が多く,そういった方々が,さまざまな経歴を経てリネージュIIの事業そのものやコンテンツ企画に携わっています。プレイヤーさんの話に耳を傾けるという過去の経験があるから,それをうまく活用して運営していることが,今まで愛されている理由だと思います。

4Gamer:
 なるほど。確かにGM出身者が多いと,単なるビジネスとはまたちょっと違った視点が生まれるかもしれませんね。

イ氏:
 新入社員が入ってくるときにもよく言われる話なんですが,ゲームのコンテンツ自体を理解するのは簡単だけど,それをプレイしてるプレイヤーさんの気持ちを理解するのはかなり難しいのです。でもその気持ちが分かると,プレイヤーさんが望むサービスの提供ができるようになります。
 そういう面では,GM出身が多いということは,プレイヤーさんを理解する人が多いからそこが強みになってるんじゃないかなと思います。

4Gamer:
 でも僕自身もずっとここまでMMOを遊んできましたが,僕らプレイヤーは,基本的に自分たちのことしか考えないですよね。自分が楽しく遊びたいんだから,それはまぁ当然のことだと思います。
 しかしそれらをリネージュIIの運営やビジネスに乗せるときの,取捨選択のやり方には何かコツみたいなものがあるんですか? 「プレイヤーの言うことが分かる」のと「ビジネスでうまくいく」のはまったく別な話ですよね。

ハン氏:
 おっしゃるとおり,プレイヤーさんの意見をどのように落とし込んでいくのかはよく悩みますね。そして実際に導入するときには,やはり“リネージュIIらしさ”を一番に考えています。

4Gamer:
 お,出ましたね。「らしさ」。

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ハン氏:
 ええ。まずリネージュIIの個性はどこにあり,そしてプレイヤーさんが求めているものを,いかに“リネージュIIらしく”入れられるかを,コンバートしながら組み込んでいます。

4Gamer:
 この前「スローン・アンド・リバティ」のインタビュー時には“NCらしさ”を議論したんですけど,ここでハンさんが言う“リネIIらしさ”とは,なんでしょうか?

ハン氏:
 難しいですね……。多くの要素があると思うんですけど,私的には1番コアなバリューは“コミュニティ”かなと思います。

4Gamer:
 なるほど,コミュニティ。ほかのお二人はどうですか?

キム氏:
 私も同じように考えます。
 ゲームでどんなコンテンツを利用するにしても,そこにはやはりプレイヤー同士の相互作用があります。その相互作用がどのように起こるかによって,そこから友達になったり,敵対関係になることもあるわけです。
 そしてどんな関係性や立場であっても,やはりゲームに対して愛着があるからこその話であって,そのようなやりとりがまた生活の一部になってたりするのが,重要なポイントだと思います。そこにリネージュIIらしさがあると,確信しています。

4Gamer:
 (イ氏へ)なんかずっと言いたそうにウズウズしてるのでぜひ(笑)。

イ氏:
 私も同じ考えですが,これは韓国的な表現で……ええと,日本語だとなんだろう? 「イザコザ」? イザコザがたくさんあって,そこには楽しいことも,つらくて大変なこともあります。でも,それらすべてをひっくるめて「リネージュII」なのです。
 憎くても情があって,嫌なことがあっても,そこから繋がりが生まれてくるわけです。

4Gamer:
 まさに“もう一つの人生”ですね。

イ氏:
 そして話をちょっと戻しちゃいますが,先ほど質問いただいた,プレイヤーの意見をどのように反映するかについてです。
 その問題について私たちが重要だと考えているのは,話したことの表面をすくい取るようなことではなく,裏に隠された本音を見つけようと非常に努力することです。たくさんのデータを分析して,そして真剣にプレイヤーさんの意見と向き合っていますが,意見の裏に隠れている“本当の意味”……というか,なぜこの話をしたのかについての理由を見つける努力をしているのです。

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4Gamer:
 なるほど,単純に文字を読んで,字面そのままに受け取るわけではない,と。

イ氏:
 例えば「ここが難しいです。簡単にしてください」と言われたとき,そのまま簡単にしてしまうと,話がそこで終わってしまいます。自分が持っていなかったものを簡単に入手してしまうことで,面白さも冷めてしまうんです。
 なので,なぜその話をされたのかを考えて,なるほどプレイヤーが本当に言いたいのは,コンテンツをクリアしたいけど,それにたどり着く方法が見当たらなくて難しい,ということなのだな,と。それが分かったら,クリアまでの道を提案することができます。

4Gamer:
 素晴らしいと思いますが,裏目に出ることもありそうですね。

イ氏:
 ええ。取り組んで意見を反映させたのに,プレイヤーさんからは「言ったけど全然反映してくれないじゃないか」と言われるときもありますね(笑)。


プレイヤーの皆さんは異論を唱えるかもしれませんが,プレイヤーが望むことを常に聞いていて,それを元に結構改善を進めています


4Gamer:
 でも皆さん結構長いことリネージュIIに関わっているわけですが,ここまで何年も付き合ってると,コミュニティとの関わり方もずいぶん変わってきているのでは? 昔はなかったようなものが今はたくさんありますよね。そもそもXもそうだし,最近ではDiscordなんかもそうです。
 そういう,開発チームとプレイヤーコミュニティの間の関わり方って,この20年で結構変わったりしましたか?

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キム氏:
 かなり難しい質問ですね(笑)。
 おっしゃったように,プラットフォームは時間によって色々と変わってきたんですが,なんていうか……これはリネージュIIコミュニティの長所でもあり短所でもあるのですが,閉鎖的なコミュニティであるという傾向があります。

4Gamer:
 なるほど。じゃあそんなに影響されないですね逆に。

キム氏:
 自分たちの絆を心から楽しんで,ほかの人々にはあまり広がっていかず,内輪で固まるような傾向があります。なので我々が,より外へ拡散させるための工夫を結構していて,共通の話題を作り出すための活動もしていたりします。
 例えば報酬を分配するコンテンツをアップデートしたり,あるいはチャットウィンドウでアイテムのオプションをよりカッコ良く表示させたり,何か話題性になるものを絶え間なく作ろうと意識してます。

4Gamer:
 なるほど。
 リネージュIIってグローバルでサービスしてますけど,どこの国も同じような感じですか?

キム氏:
 アメリカやロシア,ヨーロッパなどでは,SNSが活発に使われているようですね。
 日本と韓国のプレイヤーは年齢層的に割と高い方で,それに比べてそのほかの国々のプレイヤーは比較的年齢層が低いので,そういう部分も影響しているかもしれませんね。

4Gamer:
 プレイヤーの平均年齢ってそんなに違うんですか。

キム氏:
 平均で10歳ぐらい違いますよ。

4Gamer:
 そ,そんなに。
 まぁ以前からアジアサイドは割とクローズドなコミュニティが多かったと思うんですが,クローズドなコミュニティにもいい面と悪い面があるわけで,いい面について,何か印象的なエピソードってありますか?

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イ氏:
 印象的なエピソード……というわけではないんですが,一般論として,一度血盟から離脱した人が,絆を感じて過去の温かさを思い出したときに,同じコミュニティに復帰するというケースが非常に多いですね。
 その逆に,新しく入って来た方々は,既存のコミュニティに入るのが少し難しいという欠点もあるわけですが。

4Gamer:
 あぁ……なんかちょっと分かります。
 でも確かにそれは,閉鎖的であることと表裏一体になりがちですね。

イ氏:
 はい。リネージュIIはとくに,オンライン掲示板やインゲームのチャットを見る限り,みんな何も発言しないように見えてしまいますが,実はコミュニティという自分たちだけの空間で,自分たちだけに見える会話を膨大に繰り広げて盛り上がっています。

4Gamer:
 なるほど。
 そうやってコミュニティに向き合って大切にしてきて,コミュニティの声を取り込んで,何かしらの形でゲームの開発とか運営に反映しているんだろうなという気がするんですけど,今までプレイヤーの意見を反映させてゲームシステムが大きく改変された例とかありますか。

プレイヤーコミュニケーションで生まれたものとして,20周年時に実装した日本専用の衣装「エリュトロスセイバー」がある
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ハン氏:
 「これ」と言うのは難しいんですが,常に反映しています。
 プレイヤーが望むことを常に聞いていて,それを元に結構改善を進めています。ただプレイヤーが言ったことそのままの形ではないので,さっきも話題に出たように「反映してくれないじゃないか!」という声もあります。
 でも実は,常にプレイヤーさんの声を最も重要視していて,その反応をもとにかなり改善しているのです。

4Gamer:
 じゃあ僕が今リネージュIIのコアプレイヤーだったとして,どこで何をすれば,皆さんの元に僕の声は届きますか。

ハン氏:
 ルートはあまり重要じゃないですよ。内容が重要です。
 優先的に適用すべき内容かどうか,多くのプレイヤーに影響するものかどうか,そういうことを見るので,届くまでのルートそのものはあまり重要ではないです。

4Gamer:
 なるほど。まぁなんかうまく誤魔化された気もしますが(笑)。

イ氏:
 今とちょっと似てる意見ですけど,意見が「多様性」を持つかどうかを割と見ています。
 よくあるのは,皆さん容易に想像できると思いますが「自分がプレイしてるクラスを強くしてください」というやつです。それ自体は問題ないのですが,そのクラスが強くなると,ほかのクラスが相対的に弱くなってしまいます。それでは,その強くなったクラスの人しか楽しくない。

4Gamer:
 うんそうですね。MMORPGでのrevampで真に難しいところはそこですもんね。

イ氏:
 ええ。その意見を反映した時に,すべての人を満足させることは難しいですが,多くのプレイヤーが満足し,ゲームのリズムが守られ,ゲームが良い方向に進めるかどうかを考えて提供しています。
 そんなことはあなたたち(=運営チーム)が判断することでしょう,と言われると言葉がないですが……。

4Gamer:
 “最大多数の最大幸福”を目指してるわけですね。
 大昔から「プレイヤーの意見を聞いて運営します!」というタイトルはいっぱいあったけど,実際にやってるところはそんなに多くなかったわけです。だからそれを愚直にずっとやってるのが,20年維持されている秘訣なのかなって,今改めて話を聞いて思いました。

ハン氏:
 ありがとうございます。

4Gamer:
 今以上にさらにプレイヤーとの関係性を強くしようとか,そういうことは考えてたりしますか。

キム氏:
 プレイヤーさんの声をよく聞いて,ちゃんとデータも分析して,それをいい方向に持っていくためにアップデートを実施するんですが,それでもプレイヤーさんは「これは私が望んでいた形じゃない」となることもある……というのはさっきから触れていることです。
 誤解が生まれることがあるので,実際のアップデートに先立ってプロデューサーレター的な形で,取り入れた背景と今後の計画を載せて,コミュニケーションをさらに深く取ろうとしているところです。

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4Gamer:
 おお,なるほど。
 確かに決定に至る情報が公開されると,そういう誤解もだいぶ減るかもしれませんね。

イ氏:
 韓国でも2年ぐらい前から,プレイヤーの皆さんと本当のコミュニケーションを取る生放送を,6〜7か月に1回やっています。

4Gamer:
 “本当の”とは?

イ氏:
 生放送で,リアルタイムでプレイヤーさんからの電話を受けて,その内容に対してその場で答えます。

※日本でも,りね2てれび生放送の人気コーナー「統括プロデューサーに聞け!」を通じてコミュニケーションを行っている。

4Gamer:
 ラジオ番組みたいで素敵です。

イ氏:
 はい(笑)。YouTubeで皆さんにドキドキしながら答えてます。

4Gamer:
 しかしそれ,その「プレイヤーさんの声」は,やらせじゃないでしょう? 結構なリスクですよね。

ハン氏:
 やらせじゃないですね。なので冗談抜きで,毎回命をかけてる気分です(笑)。背中も汗ダラダラです……。

4Gamer:
 しかし電話は楽しいですねえ。

キム氏:
 全部の国で同じようにやろうというわけではなく,プレイヤーさんとのコミュニケーションやプレイヤーさん同士の相互理解ということを考えて,より良い方法でもっとコミュニケーションが取れる方法を今も探しているところです。



20年前の私たちと現在の私たちとは,色々なものが変わっているけれど,リネージュIIの基本的価値は守り続ける方向で開発を進めたい


4Gamer:
 そうやって,いろんなプレイヤーの意見をいろんな方法で吸い上げて形にしていくのは素晴らしいことですけど,とはいえリネージュIIの中心に“幹”が1本通ってるわけですよね,きっと。

ハン氏:
 幹?

4Gamer:
 “こういうゲームであることを外してはならない”という不文律的なものと言いますか。

イ氏:
 あぁ,なんとなくおっしゃることは分かります。

4Gamer:
 例えば最近の流行りでいうなら,MMOなら徹底的に楽な放置機能があってもいいのでは? とも思います。マウス1クリックでクエストが最後まで全部自動で終わるみたいな。
 でもリネージュIIはたぶんそういうものを積極的に入れることはないでしょうし,その真ん中に通ってる背骨にあたる部分の重要な要素はなんだと思いますか? お三方で違うことを言いそうな気がするので,ぜひ順番に教えてください。

ハン氏:
 なるほど……それは本当に多いですが,これはあくまでも個人的な基準です。
 私は,仲間と一緒にプレイすることが,一番真ん中にあるかなと思います。どうすればプレイヤーさん達が一緒に集まってプレイできるかを基準にして,いつも悩んで,常に考えています。

キム氏:
 私は,やはりコミュニティが最も重要な部分だと思います。ただ過去の時代に比べて,ゲームにたくさんの時間を費やして狩りをするというのは,現実的に少し難しい時代です。またそれに固執するのも,ちょっと時代に合わないかもしれません。
 そのため,個人の成長や狩りなどはソロで楽しんで,攻城戦や血盟単位で動くコンテンツの場合は,それこそコミュニティの中で,一緒に成し遂げてプレイできるようにすることが,最も重要なことだと思います。

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イ氏:
 リネージュIIという木があるとして,その幹はいまなお,成長途中にあると思います。
 過去のリネージュIIは,PVPやPKなどハードコアな部分に多くポジショニングされていましたが,今はどうしても個人の成長がより主体となっています。
 なので現在私たちは,成長をより簡単で快適に,というモットーで開発を進めています。そしてそのような環境をキチンと整理したいと思い,今回のエヴァサービスに至りました。

4Gamer:
 なるほど,ありがとうございます。
 お三方の意見を総合すると……リネージュIIは20年前にローンチしたわけですが,あの頃ってMMORPG全盛期だったわけで,その頃のプレイヤーの思想であったり,プレイスタイルであったり,そういう部分を重視した設計を,ほぼそのまま活かした形で20年ずっと来ていたわけですよね。
 それだけでも十分にすごいことなんですが,最近ではそれを時代とともに少しずつ変えようとしていて,大きく動くのが今のタイミングである,ということですか。

ハン氏:
 そういう部分があるのは確かです。時間が経つにつれて,私たちの生活も変わりました。
 20年前の私たちと,現在の私たちとでは,生活パターンが変わり,過ごし方が変わり,ほかにも多くの部分が変わったため,利便性をより高めながら,私たちが考えるリネージュIIの基本的価値を守ることができるような方向で進めればと思っています。

4Gamer:
 でもそれ,聞いてるだけで難しそうですよ。

ハン氏:
 皆さんご存知のように,リネージュIIのゲーム内には複雑な要素が多いです。私たちもその部分は理解していて,コンテンツやシステムをより簡略化しているのが,最近力を入れているところの一つでもあります。

4Gamer:
 これたぶん,話が20周年アップデート全体……というか「エヴァ」の話になるんだと思うんですが,エヴァサービスを含めた20周年アップデートの全体の方針は,なんとなく今聞いたことで分かりました。
 しかしこれ,今の,というか古くからいるプレイヤーさんとのハレーションの問題は起きないんでしょうか。

画像ギャラリー No.032のサムネイル画像 / [インタビュー]20年を経て生まれ変わる「リネージュII」は,PKなし,経験値テーブル変更など,日本独自仕様満載。一体どんな人が,どんなことを考えながら,何を重視して開発しているのだろう?

ハン氏:
 バランス的な問題の話でしょうか。

4Gamer:
 ゲーム的な意味でのバランスとはちょっと違います。
 リネージュIIという幹を残したままアップデートをしようとしてるのは分かります。でも,今のリネージュIIが好きな人にとっては,悪い方向へとアップデートされる部分もあると思うんです。そういうネガティブな部分のバランスをどのように取っていくのか,もしくはどうお考えなのかはちょっと興味があります。
 普通の新作オンラインゲームなら「いろんな方が楽しめるコンテンツを用意します!」でいいんですが,リネージュIIともなると積み重ねてきた歴史も違いますし,そこにいるプレイヤーも,ただのオンラインゲームとしてプレイしているわけではないと思うんです。

ハン氏:
 確かにそこは問題だと思っています。でもあくまでもエヴァサービスの基本は,様々な方々を満足させるための別のバージョンだと考えているので,そういう意味での問題はありません。

4Gamer:
 ではエヴァサービスは,辞めてしまったプレイヤーの復帰を念頭に置いているのか,それとも新規プレイヤーを念頭に置いているのか,どちらのほうが強いですか?

ハン氏:
 事前に心の準備をしてなかった質問だ(笑)。

4Gamer:
 よかったです(笑)。

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ハン氏:
 自分的には,やはり休眠のプレイヤーさんに戻ってきてほしいですね。
 何らかの理由で一度離れてしまったプレイヤーさんが復帰して,また定着してもらえるようにサービスを提供しています。

4Gamer:
 去ってしまったプレイヤーの皆さんはたぶん,やることが多すぎだったり,ルールが複雑だったり,もしかしたらPKに嫌気がさしたり,そういうさまざまな理由でやめてしまったわけで,それをなくしていくサービスが今作られている,ということですか?

ハン氏:
 そうなりますね。

イ氏:
 課金モデルが嫌で離れたとかもあるかもしれません。

4Gamer:
 たぶんリネージュIIという話であれば,僕は「戻る休眠プレイヤー」の側なんですけど,僕ら……要するに古いプレイヤーが戻って,「おお,まだこれあったんだ」みたいな感じで懐かしく思えるようなことってちゃんと残ってたりします?

ハン氏:
 ああ,そうですね。久しぶりに帰ってきた時も「まだあるんだ!」と思われるような良さもたくさんあると思っていて,例えば既存リソースを活用して行うレイドなんかがありますね。
 あと,私たちが考えるリネージュIIのコンテンツの華は「攻城戦」だと思うのですが,それも過去の問題点を改良して,もっと多くのプレイヤーに好きになってもらえる方向にアップデートしようと,いまはまず韓国国内で準備をしています。

4Gamer:
 なるほど。
 ……これはプレイヤーの勝手な言い草なんですけど,戻る側からすると,一度やめてしまったというのは当然何かの理由があるからやめてるわけでして,その理由が改善されたのなら戻りたいと思っています。しかし戻りたいんですけど,あんまり変わっててほしくないんですよね(笑)。

ハン氏:
 分かります。だから本当に難しい悩みが多いですね(笑)。

4Gamer:
 でも,そういったことを理解してもらえたうえでアップデートされてるんだなというのは,なんとなく感じます。


エヴァサービスは,一定水準の中でプレイヤーさん達の層が形成されることを期待しているので,Pay to Winにはしません


4Gamer:
 この記事が出るころには,たぶん一般のプレイヤーさん対象のクローズドβテストも終っているかしてるころだと思うんですが,現時点(2025年3月10日)では「エヴァサービス」についてはまだほとんど情報が出ていません。私も,事前にもらったアバウトな資料から,なんとなく中身を推測するだけです。
 ですので改めてエヴァサービスの大きな特徴を,ここで一回聞いておきたいなと思うんですが,可能ですか?

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キム氏:
 エヴァサービスは,私たちの中で出てきたいくつかの問題点について,大きく改善されたり変更されたりしています。例えば課金システムに対する不満などについても,エヴァサーバーにおいてはゲーム内で狩りを通じて獲得するゲーム内リサイクルを通じて,すべてのアイテムやすべての装備を購入することができます。まずこれが最初の大きな内容です。

4Gamer:
 すべて?

キム氏:
 はい,すべて。
 そして二つ目がPVPです。強制的なPVPや望まないPVP,そういったことによる苦痛や不満もありましたが,今はNON-PVP設定で,重要コンテンツや望む時だけPVPをしたり,曜日別や特定の時間帯で便宜に応じて直接PVPに参加したり,そういうことができます。
 この二つが,何を置いてもまずエヴァサービスについて私が申し上げたい最も大きな部分ですね。

4Gamer:
 ありがとうございます。
 詳細は追々明らかになっていくでしょうから大枠の話ですが,まず最初の課金システムについて,課金したくてもできないということですか?

キム氏:
 いえ,希望するのであればできます(笑)。
 でもプレイヤーさんに,ある程度選択できる幅は与えます。自分が他人よりも強くなるため,早く成長するために課金できるものもあるでしょうが,決して課金を強要せず,可能な限りゲーム内で全て解決できるようになっています。
 課金に向けて誘導したり,課金を勧めるようなことは絶対にしません。

4Gamer:
 なるほど。確かに優しく思えますね。

キム氏:
 誤解が生じる可能性があるので少し追加で説明しますが,先ほど課金ができるとは言いましたが,実際には出来ることに対する制限や限界があり,プレイヤーさんが自由にお金を使って他の人より早く成長したり,格差を広げたりすることも難しいです。
 つまり課金しても,すごい差が開くわけではなく,絶対にPay to Winにはしません。

4Gamer:
 確かに素敵なことだと思いますが,でもお金を払った分強くなったりメリットを享受したりしないのも,それはそれで商品としてちょっとおかしくないですか。

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ハン氏:
 おっしゃることは分かりますが,プレイヤーさん達の成長差を,ある種制限したいんです。
 以前は,お金を使えば際限なくその差が開いていくという感じでしたが,今回のエヴァサービスはそうではなく,一定水準内でプレイヤーさん達の層が形成されることを期待して,プレイ環境を整えています。

4Gamer:
 なるほど,そういう理由でしたらちょっと納得です。ではそのオプション課金的なものは,どのあたりに使えるんでしょうか。

ハン氏:
 時期によって少しずつ変わると思います。いま「こうします!」と決めるというよりは,状況を見ながらその時その時に判断することになると思います。

4Gamer:
 それは「一定水準内にプレイヤー層を形成するため」ですか?

ハン氏:
 はい。プレイヤーさんの成長を見てタイミングを見計らって,追加課金で買えるものを決めていこうと思っています。それでもなお念頭に置いているのは,先ほど申し上げたように,あまりにも差が開かないようなものになると思いますが。

4Gamer:
 僕もサーバートップ10に入るようなプレイヤーではないので,そういうのすごく素晴らしいなと思うんですけど,一方で本物の(?)廃人はつまらないかもしれませんね。まぁでもそういう人は,違うサービスを楽しめばいいのか。

ハン氏:
 そうですね。そういう方は,現在サービス中のリネージュIIの3サービスでぜひバリバリ楽しんでいただきたいです。

イ氏:
 韓国の場合,80%のプレイヤーさんが,定期的に決まった商品を購入している様子が見られます。
 過去の高価な商品とは違う話かもしれませんが,サービスコンテンツが変わったため,そのようなモデルに対するプレイヤーさんの態度も変わりました。それだけを購入しても,自分が使用するキャラクターが強くなる実感を毎月十分に得ることができて満足できるため,課金を続けているのだと思います。

4Gamer:
 なるほど。じゃあすでに根拠のある正しい方向に向かっているということなんですね。失礼しました。

イ氏:
 いえいえ。
 あとここで初めて話しますが,今それ以外にさらに課金できる部分を準備しています。コーディネートシステムやコスチュームのようなもの……キャラクターを美しくできるような部分も,多く拡張していく計画があります。自キャラをさらに美しく見せることができるようになります!

「エヴァサービス」のメインビジュアルは,新種族ハイエルフから「スピリット」。名前と見た目のイメージどおりの,魔法クラスだ
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4Gamer:
 お,見た目が変わるということですね。
 いつの頃からかオンラインゲームで,「キャラの見かけだけ変わる商品」が売られ始めましたよね。今だから正直に言いますが,昔は僕「誰がこんなもの買うんだろう」「物好きだなぁ」って思ってました。

一同:
 (笑)

4Gamer:
 でも最近は理解できます。つい買っちゃいますね……。

キム氏:
 私もそうでした。若い頃は,能力値などのスペック中心の商品に集中してお金を遣っていたんですが,だんだんとキャラクターへの愛着を持てるようになり,やっぱり見た目も気になりだして,外見にお金を遣うプレイヤーさんの気持ちも分かるようになりました。

4Gamer:
 ですよねえ。

イ氏:
 そのドレスルームのシステムに関しては,ハンさんの前のリーダーの時代から,ずっと計画だけはあったんです。今回は,ようやく,本当に,実装されることになります。

4Gamer:
 しかし古いプレイヤー的には「リネージュII」といえば,PKありの殺し合ってナンボみたいな,いい意味でも悪い意味でも殺伐としたゲームだったんですが,やはりもう,そういう時代ではないんでしょうかねえ。

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イ氏:
 そこについては,やはり「気持ちを疲れさせない」ことかなと思います。それが大きな方向性です。

4Gamer:
 あぁ……なるほど。一緒に歳を取ったプレイヤーとして,ちょっと分かるかもしれません。

イ氏:
 ですよね。韓国も日本もそうですが,プレイヤーの皆さんがリネージュIIと共に年齢を重ねていく中で,気持ちを削いだり,疲れを引き起こしたり,そういうものを嫌うようになってきているように見えます。
 ですので,そのようなストレスを減らし,決められたルールの中で楽しめればと思います。一方的に起こされる紛争とかではなく,事前準備がなされている相手とだけ戦闘ができるような形で,コンテンツを提供しようとしています。

4Gamer:
 PKというかPVPですね。

キム氏:
 PKがないリネージュIIで狩りだけしてて,緊張度がダダ下がりにならないかという質問をよく受けますが,ランダム的にプレイヤーが集まって,なにかしら意味のある活動ができるようなコンテンツ多く配置しています。ですのでダラけたりせず,緊張感のなさも解消されるのではないかと考えています。


この規模のゲームで,国ごとの独自仕様を作るのは本当に大変。しかしプレイヤーが喜んでくれる姿を見るのはとても幸せです


キム氏:
 あと今回のエヴァサービスなんですが,なにより日本の皆さんのプレイパターンを分析して入れているんです。

4Gamer:
 お? でも韓国のプレイヤーというとPKとかPVP大好きなイメージなんですが,最近はさすがにそうでもなかったりするんですか?

一同:
 (笑)

4Gamer:
 あれ?(笑)

キム氏:
 実は韓国ではそういう設定がないので,今回は日本のために,日本の方々のPVPパターンを分析した結果,これが皆さんに合うだろうということで,フィールドにNo-PKの設定を入れました。

4Gamer:
 ということは,PKできないのは日本独自仕様?

キム氏:
 はい。韓国では,エヴァサービスでもPKやPVPは普通にできますよ。

4Gamer:
 ほかにも日本独自仕様ってあるんですか?

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キム氏:
 大きなものから小さなものまで,本当に様々なローカライズ……というかカルチャライズが入っています。
 例えば,先ほどエヴァサービスではゲーム内通貨でも良いアイテムが手に入ると申し上げましたが,獲得できる通貨の量も,日本と韓国では異なる仕様になっています。皆さんはよりプレイしやすくなり,キャラクターの成長速度も,韓国とは異なる仕様になっています。
 これらは日本の皆さんのプレイ状況を分析して調整した数値であって,今後も韓国のシステムをそのまま入れるのではなく,日本の状況に合わせて継続的にローカライズしていく予定です。

イ氏:
 これは……言い過ぎな気がする(笑)。

4Gamer:
 日本のほうが経験値テーブルの進みが速いんですねきっと。

ハン氏:
 ノーコメントです!(笑)

キム氏:
 改めてちゃんと言い換えますと,日本のプレイヤーさんの育成速度に合わせて,レベルによって必要な経験値が細かく調整されています。今後も皆さんの条件をデータ分析して調整する予定です。

4Gamer:
 うーんでもこれはピュアな疑問なんですけど,リネージュIIくらい世界各国でサービスされている作品において,独自仕様作るのって,途方もなく面倒じゃないですか?

ハン氏:
 はい,すごく大変です。

イ氏:
 見えない仕事が,裏に2,3倍ぐらいあるんですよ。

キム氏:
 例えばPKに対するプレイヤーさんの不満は,やはり日本からたくさん寄せられてたんですけど,それでアップデートしたバージョンをもしグローバルに適用してみたら,たぶんロシアのプレイヤーさんあたりから「なんでこういうアップデートをしているのか」と不満が出ると思います。
 国ごとに求めているものがまったく違うので,そんなことを繰り返していたらいろんなバージョンを管理することになって,結構な工数がかかっています。正直に言って負担が大きいですね。

4Gamer:
 「正直に言って負担は大きい」とインタビューで明言するぐらい大変なのに,それでもなお,それをやる理由はなんですか。

ハン氏:
 それが仕事ですから!

キム氏:
 まぁ真面目な話,それは私達がやるべき仕事だと思いますし,海外のプレイヤーさんたちそれぞれに合わせてアップデートをして,彼らが喜んでくれる姿を見るのは,私にとってとても幸せです。そのためにやっていると言っても過言ではありません。

4Gamer:
 さっきからサラリと言ってますけど,結構すごいことやってますよねえ。

イ氏:
 これもある意味,私たちが20年間にわたってサービスを維持できている理由の一つでもあります。全部どこか一つに集中しているわけではなく,多様なプレイヤーさんと多様なバージョンに適合させているということです。

4Gamer:
 おお,話を綺麗に戻しましたね(笑)。

イ氏:
 本日のメインテーマだと思ったので(笑)。

4Gamer:
 しかしそうであるならば,それぞれの国のそれぞれの要望を吸い上げる役目が結構重要ですよね。

ハン氏:
 そうなりますね。

4Gamer:
 (キムさんのほうを向いて)大変ですね。

キム氏:
 いやもう,無理な依頼が多すぎて(笑)。
 ……ちょっとだけ「シャインメーカー」の話をします。昔新井さんが,夕食に私にお寿司をおごってくれたことがあって,お寿司を食べながらおもむろに「自分にはいいアイデアがある」と話をはじめまして。

日本統括プロデューサー新井友和氏は,日本でリネIIといえばこの人,というくらいそこら中で活躍している。この日もこっそり脇で話を聞いていた
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4Gamer:
 なんか容易に予想がつきます(笑)。

キム氏:
 韓国でのドワーフはそこまで人気のある種族ではないのですが,日本ではドワーフ女性(ドワっ娘)が本当に人気があるのだと。もっと可愛くしたキャラで,新しいドワーフクラスを入れれば,日本で絶対人気が出るという話をしてくれました。
 私が「本当に自信があるのか」と尋ねたら,新井さんが「任せてくれ」と言ったので,私は「OK,じゃあ韓国に持って帰ってドワーフを一度作ってみよう」と約束しまして。それで,日本だけでなくグローバルに一斉反映されたのが,シャインメーカーでした。
 何が言いたいかというと,パブリッシャや海外支社から意見を吸い上げて,アップデートをかけることは結構多くあります。

2023年11月に,ドワーフ女性のみに追加された新クラス
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 エヌシージャパンは11月15日,同社がサービス中のPC向けMMORPG「リネージュ2」で,3サービス同時に大型アップデートを実施する。ライブサービスの新クラス“シャインメーカー”を始め,それぞれに追加される新コンテンツの情報を紹介しよう。

[2023/11/06 10:00]

4Gamer:
 韓国,ドワーフそんなに人気がないんですね。

キム氏:
 そうですね。なので新クラスにドワーフを作るなんて,韓国からしたら「ほぼありえない発想」でしたが,日本がそこまで言うのなら……というところで実施してみました。

4Gamer:
 しかし今の話をまとめると,キムさんにお寿司をおごれば,リネIIで新しいクラスが導入できるということですよね。

お寿司から生まれたシャインメーカー
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キム氏:
 そうなりますね(笑)。
 真面目な話,もちろんアイデア自体もすごく素晴らしいもので,その後も日本チームがたくさん準備して,新クラスについての様々なデータを共有してくれて,多くの議論の結果として生まれたという背景があることはちゃんと書いておいてください(笑)。

4Gamer:
 ちゃんと書いておきます。

イ氏:
 寿司を奢ってほしいと言ってるわけではありませんが,今年の年末にも本当に大きなアップデートが一つ準備されていますよ。今はまだここまでしか言えないんですが,日本プレイヤーの皆さんが絶対に好きなアップデートになると思います。

4Gamer:
 今年の年末って結構先ですけど,もう決まってるんですね。

ハン氏:
 はい,年内に出します。

4Gamer:
 “みんな”が楽しいアップデートですか?

ハン氏:
 自信ありますよ。

4Gamer:
 おお,最大多数の最大幸福。

ハン氏:
 さあ,まずは日本でお寿司を食べましょう(笑)。

4Gamer:
 エヌシージャパンでお寿司稟議を準備しておかないとですね(笑)。


リネージュIIは,やめるものではなくて休むものです。休眠プレイヤーの皆さんも,ぜひ戻ってきてください


4Gamer:
 でも,そうやってできていくんですね。ちゃんと各国のフロントと連絡を密にして,各国のことを考えてアップデートがされていくというのは,初めてちゃんと聞いたんですけど,結構すごいですね。

キム氏:
 ありがとうございます。自慢話ではありますが,国それぞれのアップデートやコンテンツを仕込めるように,内部的にもいかに効率よく開発するかを工夫しました。

4Gamer:
 ほんとそうですよね。だって細かいところは結構いっぱい違うわけで,バイナリーファイルレベルで全然違うでしょう? なんか想像するだけで,すごく管理が大変そうだなって素直に思います。

ハン氏:
 本当にそうです……。

4Gamer:
 そんな地道な努力を重ねながら,リネージュIIをここまで運営してきて,当然この後もずっと続くわけですけど,5年後,10年後を考えた時に,どんな展望を持っていますか?

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ハン氏:
 今求められている答えになるか分からないんですけど,私は決まった方向性やいま語れる展望は「ない」と思っています。その時期のプレイヤーさんの気持ちや,みなさんの声に合わせて,継続的に変化していくことになると思います。

4Gamer:
 まぁ確かにテクノロジーの進化を考えても,来年のことすらよく分からないですもんね,最近は。
 逆にテクノロジーの話にしちゃいますけど,技術トレンドみたいなものがリネージュIIに与える影響というのは結構あったりするんですか。

ハン氏:
 全部を語るとちょっと長い話になっちゃうので一言だけ申し上げると,私たちのゲームは20年が経っているので,ゲームエンジンがかなり老朽化していることは否定できません。
 そのため,グラフィックス的な品質が最近のゲームと比べるとかなり劣って見えることは知っています。そういうところを補うために,グラフィックスのポストプロセッシングや,新しいミドルウェアなども導入し,シェーダーモデル3.0などの技術も同じく継続的に導入して,エンジン内での最大限のグラフィックス性能を引き出すために,いま頑張っているところです。

4Gamer:
 AIなんかはどうですか?

ハン氏:
 アート面では試験的に使用しています。しかし先ほどおっしゃったように,どのように発展するのか予測できないので,今後どうなるかはまだ言えませんね。

4Gamer:
 僕最近リネージュIIでキャラメイクをしたことがないので,もしとっくに実装されていたらごめんなさいなんですけど,キャラメイクにAIを導入してほしいなと思ってまして。

イ氏:
 といいますと?

4Gamer:
 キャラメイクって好きな人は苦痛じゃないと思うんですが,いつのころからかすごく細かい設定ができるようになって,正直めんどくさいんですよ。

ハン氏:
 同意です。

4Gamer:
 だから,イメージを文字で書くだけで「こんなのどう?」ってAIが作ってくれるようなキャラメイクを導入してほしいなと思ってまして。
 例えば「武侠の主人公みたいな,黒髪で長髪の,陰のあるかっこいいイケメン」って入れたら,そんな感じのキャラがほいっと出てくるような。

ハン氏:
 私は仕事柄,技術に対してかなりオープンな方ですが,そのように様々なキャラクターがほいほい出てくると,アートディレクターが怒るかもしれません(笑)。

4Gamer:
 なるほど,それもそうか……。でもキャラメイクって,美的センスがないと難しいじゃないですか。AIにサポートしてほしいんですよね,そういうところを。うっすら期待しています。

ハン氏:
 覚えておきますが,まずはお寿司からですね(笑)。

4Gamer:
 あ,話が戻った(笑)。
 でもまさにいま「年末になんかいいことありますよ」という話を聞いたばかりですが,今後のアップデートの方向性であったり運営方針であったり,もしくは中心に据える思想だったり,そういうもので今聞けることって何かありますか。最後にそれだけ聞いておきたいです。

ハン氏:
 私は,プレイヤーさんがいるからこそリネージュIIがあると思います。そのため,皆さまが長くプレイしていただけるように,リネージュIIを守ることが私の使命だと思っているので,その使命を心に刻んで,今後もやっていきたいと思います。

イ氏:
 最も重要なことは,やはりプレイヤーフレンドリーであることだと思います。
 コンテンツでも課金モデルでも,プレイヤーさんたちが離れてしまった理由を改善していきながら,サービスをいい方向に持っていきたいと思います。そしてそれらの行動は単発的なものではなく,常に改善し続ける姿勢で,今後5年も10年も続けてサービスできるように,頑張っていきたいと思います。

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キム氏:
 プレイヤーさんの満足度を一番大切なものだと考えています。それをフォーカスした開発を進めて,大事に運営しています。今後もぜひ期待してほしいです。
 編集長(注:筆者のことだ)もいまリネージュIIから離れていると言いましたが,決して「辞めている」わけではなく,きっといつか戻ってきてくれると信じています。そして戻ってきてくれたときに,不便なくプレイできるような環境を,整えていきたいと思います。

4Gamer:
 わ,ありがとうございます。

キム氏:
 リネージュIIは,やめるものではなくて休むものなのです。ぜひ戻ってきてください。

4Gamer:
 名言いただきました。
 あ,それで言うならぜひMac版を作ってほしいですね!

(一同ここで「あぁ……」と嘆く)

4Gamer:
 なんかいま変な空気感で納得されましたけど(笑)。

キム氏:
 僕もほしいです。

4Gamer:
 ぜひ作るべきですよ!
 ところでリネージュIIに限らないですけど,エヌシージャパンって割と人遣いが荒くてですね,ゲームが5周年,10周年,15周年を迎えるたびに「編集長のコメントをください」って毎回言ってくるんです(笑)。

一同:
 (笑)

4Gamer:
 でもそれは実際楽しい気分で書けるコメントですし,全然問題ありません。
 ですので,僕らメディアがこの先も,25周年,30周年……とずっとリネージュIIの周年コメントを書けることに期待しています。頑張ってください。

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―――2025年3月10日収録
  • 関連タイトル:

    リネージュ2

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