プレイレポート
定番MMORPGが生まれ変わる? 「リネージュ」大規模アップデート「エピソードRe:」の先行プレイレポート
リネージュの開発者達は,プレイヤーが愛着だけでいつまでも同じタイトルを遊んでくれるわけではない,単なる新マップ拡張と高性能なアイテム追加だけでは,魅力あるタイトルにはならないと述べている(関連記事は「こちら」)が,その言葉どおり,本アップデートで実装される釣りやお化け屋敷,料理といった,一見おまけ要素と思われがちなコンテンツは,従来のリネージュにはないプレイスタイルを提供する,とても遊び心に溢れる内容に仕上がっている。実装内容の一部はニュースでも随時お伝えしているが,一足先にテストサーバーでエピソードRe:をプレイする機会を得られたので,さっそくレポートしよう。
賑わいを取り戻したグルーディン村
しかし,本アップデートで村は再建され,各種NPCが配置されるほか,6軒の水上アジトや,新クエスト「グルーディン村のゴースト」といった数多くの新コンテンツが盛り込まれる。アジトデコレーションの家具が買える(詳しくは後述)のも,グルーディン村だけとなっている。まずは村で出会える新NPCと,彼らを通じて体験できる新コンテンツを順次紹介していこう。
●料理で味わえる,七つのメインディッシュとデザート1種
料理本は一冊1万アデナで購入できる。習得すると消える魔法スキルの本などと違い,料理本はアイテムインベントリを圧迫するので,普段は倉庫にしまっておいたほうがいいかも |
今のところメニューはこの8種類。経験値が増える「キノコスープ」だけはデザート扱いなので,キャラクターの空腹度が「満腹」なとき以外は使用できない |
エヌ・シー・ジャパンのテストサーバー上で料理を試してみたところ,料理ウィンドウには「レベル1」と表示されており,作れる料理も「蟻脚のチーズ焼き」がAC-1,「フルーツ甘酢あんかけ」がHP回復量+3と,申し訳程度の効果しか確認できなかった。いずれはより高レベルの料理本が入手できるようになるそうだが,どういった条件になるのかはまだ未定とのことである。
料理中は頭上にトレイのアイコンが表示される。焚き火は600秒持続するので,素材を多めに用意して,一気に作ってしまうのがオススメ |
フルーツサラダが2個完成。チーズや卵,フルーツなどはNPCも販売している。料理はまれに「失敗」あるいは「大成功」する場合があり,大成功した料理は「幻想の〜」という名前がついて特殊効果が得られる |
●MMORPGの必須要素? リネージュにも釣りシステム登場
商売熱心な釣りっ子から釣竿を借り,釣り場にいる釣り爺からエサを買って釣りを楽しむ。一度に1本しか借りられないので,釣竿を変えたいときは外に出て再度話しかける |
レンタルできるのは,アタリは早いが遠くに投げられない「短くて軽い釣竿」か,アタリは遅いが遠くまで投げられる「長くて重い釣竿」の2種類。釣竿をクリックしてから水面を指定し,ウキが動いたらタイミングを合わせて再度クリックすればよい。試しに短くて軽い釣竿を使ってみると,ウキを投げてからものの10秒程度で「ヤングフィッシュ」や「フナ」「コイ」といった魚が釣れた。まれに「壊れたイアリング」「壊れたネックレス」といった装備品が釣れることもあるが,これらのアイテムはそのままでは装着できない。「シャイニングフィッシュ」と呼ばれる特殊な魚と手数料を,「釣りおばさん」に支払って修理すれば装備可能だ。
また,シャイニングフィッシュをそのまま使用すると,最高級サファイアや濃縮ポーションといったアイテムが一定確率で出てくる。しばらく釣りを楽しんでいると,壊れたアクセサリー類は比較的簡単に釣れたのだが,肝心のシャイニングフィッシュはまったく釣れず。シャイニングフィッシュはなかなかレアな存在のようだ。
一つ注意してほしいのは,釣った魚とアイテムは自動的にインベントリに収納されず,キャラクターの足元に落ちる点だ。もちろん,釣った本人にアイテム取得の優先権があるのだが,一定時間を過ぎると誰かに持っていかれてしまう恐れがある。面倒でも毎回拾うよう心がけておこう。
「釣り爺」と「釣りおばさん」以外は誰もいない,のどかな釣り場マップ。他人と自分のウキは色が違うので,混雑していてもウキを見失う心配はない |
シャイニングフィッシュにはレッド,ブルー,ホワイト,グリーンの4種類があり,直して欲しいアイテムごとに必要な色が異なる。ちなみに釣り上げた不要な魚は,釣り爺が買い取ってくれる |
●グルーディン村の新たな遊び場は,お化け屋敷に占いの館
グルーディン村発の新コンテンツの中でも,とくにお楽しみ要素が強いのが「お化け屋敷」と「ペットマッチ」,そして「占い」だ。お化け屋敷&ペットマッチの場合,勝者にはそれなりのメリットも用意されているが,レベル上げのように根を詰めてやるよりも,グルーディン村に寄ったついでにちょっと立ち寄るぐらいがちょうどいい。
お化け屋敷は最大10名のプレイヤーが同時に入場でき,中ではさまざまな仕掛けとモンスターによる妨害が待ち受けている。内部では強制的に変身させられるうえ,アイテムや装備,魔法の使用は一切禁止されているので,ほかのキャラクターを妨害することはできない。数々の仕掛けやモンスターを乗り越え,迷路のような屋敷内部を走り回り,制限時間の5分以内に「魂の炎」を最初に破壊したプレイヤーだけが褒賞を得られるシステムだ。 屋敷内部はさほど広くは見えないため,5分もあれば楽勝と思いきや,ゴーストたちは麻痺,暗闇といった魔法をしつこく放ってくるので,思うようには進めない。途中で強制テレポートさせられることもあり,自分の現在地を見失うこともしばしば……。
とはいえ,クリア褒賞の「勇者のパンプキン袋」から得られる「スケルトンの聖杯」は,新システム「マジックドール」の必須アイテムなので,我こそはという人はぜひともお化け屋敷にチャレンジしてみよう。
スタートと同時に装備品が解除され,ジャック オー ランタンの姿に変えられてしまった。通常よりも移動速度は速いので,これはこれで便利だが |
ゴーストたちの妨害は呆れるくらいしつこかった。アイテムも使えず対抗手段がないので,お化け屋敷の攻略には相当手こずりそうな気がする |
ペットマッチはその名の通り,手塩にかけて育てたペットを,ほかのプレイヤーのペットと対決させる新システムだ。出場させたいペットの首輪を所持した状態で,グルーディン村の「ペットマッチ管理人」に話しかけると,レベル帯が近いほかのペットと自動的にマッチングされ,試合開始となる。負けても1個,勝てば3個の「ゴールドメダル」が得られ,これを集めることでランダムでアイテムがもらえる「ペットマッチ ギフトボックス」や,ペットを進化させられるアイテム「勝利の実」と交換できる。ペットマッチは割と短時間で勝負がつくので,気軽に何度でも試せるだろう。
ペットのタイガーを出場させてみた。頭上に出ているのはサイコロで,出た目が大きいほうのペットには,ランダムで補助魔法効果が付与される。これが結構勝敗に響くのだが…… |
対戦相手の可愛いパンダに容赦ないうちのタイガー。場合によっては相打ちもあるそうだ |
占いは1日に1回だけ,NPC「ケプリシャ」と魂の契約を結ぶことで,その日の運勢を占ってもらえるというコンテンツ。契約を結ぶと「占星術師の壷」というアイテムが手に入り,これを使うと今度は「占星術師の玉」が中から出てくる。玉を持った状態でケプリシャに再度話しかければ,占いに応じてくれる。寄付は必要だが100アデナと安い。
占ってもらった結果がコレ。村から出ないでチャットでもしてなさいと言われてしまった。占いの結果を無視すると本当に災いが身に降りかかるかどうかは,ぜひ自分で試してほしい |
占いのあとに「占星術師のお守り」を渡すと,ケプリシャからのプレゼントとして,こんな姿に変身させてくれる |
インテリア担当血盟員のセンスが問われる
充実のアジトデコレーション
向かって左がアジト用家具を売る「ジェイント」。右が剥製を作ってくれる「フィリス」 |
今までのアジトとは比べ物にならないほど広い地下の部屋。その分拡張費用も相当なものなので,血盟員はがんばって貯金に励むことになる |
最初はあれもこれも設置したくなるだろうが,家具の購入は計画的に。また,パーティションはスタック不可のアイテムなので,一度にたくさんは購入できない |
アジトを所有している場合(水上アジトを除く),メイドに話しかけて500万アデナという高いお金を支払うと,地下に広い部屋が拡張される。地下を拡張しなくてもデコレーションシステムは利用できるのだが,家具同士や壁との間には一定の距離がないと配置できないため,デコレーションを存分に楽しみたいのであれば,やはり地下アジトは拡張したほうがよい。
グルーディオ村には家具を販売する「ジェイント」と,モンスターの剥製を作ってくれる「フィリス」が新たにお店を構えている。用意されている家具は「ティーテーブル」「火鉢」「旗」「燭台」「ブロンズナイト」などに加え,設置した家具を除去するための「家具除去ワンド」を含む全13種類。広い地下アジトを区切って飾り付けられるよう,パーティションも販売されており,ハウジング好きなプレイヤーにとってはいろいろと楽しめそうだ。
ただし,何枚も使うであろうパーティションはなんと1枚49,500アデナ,たいまつ1個でも165,000アデナと,これまた結構なお値段である。アジトを所有できるほどの血盟になれば,この程度の金額は安いものなのかもしれないが,家具は無駄に買って余らせると,そのまま持ち歩くか捨てる以外に処理方法がない。購入前にはデザインセンスの良い血盟員と相談したほうがよさそうである。
試しに地下アジトを飾り付けてみた。家具は北東か北西を向いた状態でしか設置できないので,思い通りに並べるには慣れが必要かも |
本来は対象モンスターを倒すと,まれにドロップする「証」を100個集めないと手に入らない剥製だが,特別に用意してもらった。もう少し可愛いヤツにすればよかった…… |
ペットのようでペットでない
新たなお役立ちマスコット「マジックドール」
マジックドールは3種類あり,見た目はミニチュアサイズの「サキュバス」「バグベアー」「ウェアウルフ」だ。ペットのようにプレイヤーの後ろを付いてくるが,より高性能な存在とも言える。ペットやサモンモンスターとの違いは,モンスターやプレイヤーから一切の攻撃を受けないことと,召喚してから約30分しか活動できないという制限がある点だ。サキュバスは一定時間ごとにMPを回復,ウェアウルフは攻撃時に一定確率で追加ダメージを与えるという,実にありがたいマジックドール。普段の狩りのお供はもちろん,できれば攻城戦のときにも連れ歩きたいところだが,入手条件はかなり厳しい。
工芸師アルカからマジックドールを譲ってもらうためには,アルティメットバトルのチャンピオンに贈られる「勝利の印章」と,ここまで紹介してきた新システムによるアイテム,つまりお化け屋敷の勝者に与えられる褒賞「スケルトンの聖杯」,すべての珍しい料理をアデン王国に奉納するともらえる「王宮シェフのスパイス」,そして最高の釣り人だけが入手できる「レアタートル」を揃えなければならない。
料理と釣りはコツコツ時間をかければ何とかなりそうだが,お化け屋敷とアルティメットバトルは競争相手のプレイヤーに打ち勝たねばならない。とくにアルティメットバトルはレベル別に5か所で開催されているが,どれも人気が高く出場自体が困難,かつ最後まで生き残るには相当な実力が必要となる。
なお,すべてを揃えた上でアルカに話しかけると「アルカの魔法の袋」がもらえる。その状態で,通常アイテムを溶かして作る「結晶体」を一定数所持して袋をクリックすれば,3種のマジックドールのうち,どれか一つがランダムで召喚される仕組みだ。必要アイテムさえもっていれば,召喚自体はいくつでも可能だが,連れて歩けるのは1体だけ。これだけの手間と努力が,マジックドールから得られる30分の能力補助と見合うかどうかは,プレイヤー次第といったところだろうか。
狩り場としては若干不人気だという海底マップ。新モンスターの「ジャイアントワーム」と「カープ」の登場で,人気復活なるか? |
とくに大きく変わるのは蟻のダンジョンで,地上からの入り口が8か所から6か所に変更された。また「ホワイトアントの群れ」「ジャイアント ストロングアント」「アシッドアントの群れ」など7種の新モンスターが追加されている。さらに,ダンジョン内部には蟻の卵が点在し,これを壊すと「武器強化スクロール」や「ツーハンドソード」「ブロンズプレイトメイル」などのアイテムが入手できるようになった。資金稼ぎやレベル上げをしたい初心者〜中級者にとっては適したダンジョンとなりそうだ。
ディアド要塞の攻城戦が終ったことで,NPCの配置が大幅に変更され,要塞の門は常にオープン状態となる |
下層に行くほど強力な蟻が出現するようになった,蟻のダンジョン。遠距離攻撃を仕掛けてくる蟻もいるので,接近戦メインのナイトだと若干苦戦するかも |
「冒険との再会」をテーマに掲げた本アップデートは,冒険だけではなく,中級プレイヤーと古参プレイヤーの出会いと再会の場を提供してくれる。また,料理や新クエストの実装によって,上級プレイヤーが久しく訪れていなかった狩場で,再び冒険するためのきっかけも与えられる。
娯楽要素の強いお化け屋敷やペットマッチにしても,高レベルのプレイヤーキャラクターしか楽しめない,あるいは高レベルのキャラクターには簡単すぎてつまらない……ということはない。実際に触れてみて,かなりバランス良く仕上げられたアップデートだと感じた。
リネージュに限らず,広大な世界を持つMMORPGはきちんと中身を充実させていかなければ,ひたすらモンスターを狩るだけに終始する,やや味気ない遊び場になってしまう。リネージュは安定したサービスを6年間も提供してきただけあって,当初はそれほど重要視されていなかったバックストーリーとエピソードの関連性の強化や,既存エリアへの魅力あるコンテンツ追加など,配慮の行き届いたアップデートが続いている。
冒頭でも触れたとおり,エピソードRe:は6月24日に実装される。より遊びの幅が広がった新生リネージュで冒険できる日を,楽しみに待っていてほしい。
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