中つ国に旅立つ人へ。「LotRO」とは,一体どういうゲームなのかを軽く紹介
J.R.R.トールキンによって生み出された「指輪物語」の世界。小説で,映画で,この物語を体験し,中つ国を自分の足で巡ってみたい,そう思った人はきっといるはずだ。そんな,指輪物語のファン達の願いが叶うときが,いよいよやってきた。 この記事では,MMORPG「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影」(以下,LotRO)で,本日(4月24日)から始まったクローズドβテスト,そしてすべての人に世界が開放されるオープンβテストを前に,本作がどのようなタイトルなのかを紹介していこう。まずはその概要から,軽くお届けする。
指輪物語は,中つ国(ミドル・アース)を舞台にした冒険ファンタジーだ。MMORPGとなった本作では,フロドとその仲間達が,指輪を葬るための旅に出て少し経過した時期が舞台となっている。そのため,NPCの会話の端々には,原作/映画を知っている人なら“ピン”とくるキーワードが含まれることもある。これを見つけた時には,より深く,指輪物語の世界に関わっていることを感じ取れるだろう。
■影に立ち向かう,四つの種族
中つ国には,さまざまな種族が生息している。ここではLotROで,プレイヤーキャラとして選択できる種族を紹介しよう。
・人間
中つ国を背負う運命にある種族だ。短命で,身体的に優れた特徴を持たないが,常に前進しようとする勇気と知識が,人間を繁栄させている。 半面,欲に弱く,光と影の部分を多く持つ種族だ。本タイトルのチュートリアルにあたる序章でも,人間達の裏切りや惨劇を目の当たりにすることになる。しかし,これを乗り越えるのもまた人間の力だ。
・ドワーフ
強靭な体を持つ種族で,鉱山や岩場などに住んでいる。勇敢な戦士である彼らだが,その風貌に似合わず手先も器用で,優秀な職人が多い。正義感が強いドワーフだが,中には欲に溺れ,盗賊などに身を落とすものもいるようだ。
・エルフ
はるか昔から中つ国で生活している種族。非常に長命で,何世紀にもわたって中つ国を見守ってきた。しかし,中つ国で起こる,裏切りや戦いに嫌気がさしたエルフ達は,外界とは隔絶された隠れ里で静かに生活している。
・ホビット
世間の動きには関心がなく,ただ自分達の生活を満喫している。食事と騒ぐ時間さえあれば,それで満足なのだ。ホビット達にも無視できないであろう危機は迫っているのだが,やはりのんびりとしたホビット庄では,今日も平和な日々が繰り返されているようだ。なお,他種族からは“ハーフリング”という名称で呼ばれることもある。
■生き方を決める,特徴のあるクラス
次に,本作で選択できるクラス(職業)について紹介しよう。本作では7種類のクラスが用意されている。種族によっては,選べないクラスもあるので注意しよう。
| ガーディアン 味方の前衛として,敵の攻撃から仲間を守る“盾”となるクラス。敵の攻撃を一手に引き受けて,味方のチャンスを作り出す。 |
| チャンピオン 前衛として,敵に多くのダメージを与えていくアタッカーに相当するクラス。 |
| ハンター 遠隔攻撃に優れ,攻撃間隔は長いが高い威力の攻撃を担当する,他タイトルでのキャスターに相当するクラス。 |
| バーグラー 隠密,奇襲に優れている。相手の弱点を見つけ出すそのずる賢さは,敵を弱体化させるデバッファーに相当し,また,フェローシップスキル(仲間との連携技)の起点になるクラス。 |
| キャプテン 前線で自由の民を指揮し,その鬨の声は味方に自信と力を与える。味方を強化するバッファーに相当するクラス。 |
| ロアマスター 動物を使役し,相手を効率よく倒していく知識に優れた,CC(Crowd Control:群集操作)に相当するクラス。 |
| ミンストレル 楽器を操り,味方を回復するヒーラーに相当するクラス。 |
種族別,選択可能クラス 人間……全クラス ドワーフ……ガーディアン,チャンピオン,ハンター,ミンストレル エルフ……ガーディアン,チャンピオン,ハンター,ロアマスター,ミンストレル ホビット……ガーディアン,ハンター,バーグラー,ミンストレル
以上のように,各クラスは,はっきりとその役割が分けられているようだ。なお,指輪物語では,ガンダルフなどの“ウィザード”(魔法使い)は特別な存在であることから,LotROでは,ロアマスターやミンストレルのスキルとして,魔法のような効果を表現している。
■指輪物語の世界に用意された,多様なコンテンツ
次に,LotROの世界を楽しむためのコンテンツを紹介しよう。
・クエスト 指輪物語の世界を,そのままMMORPGにしたという本作では,クエストの一つ一つにも,種族ごとの特徴が現れている。とくにホビットは,そのクエストの大半がホビットの村を西に東にひた走る,お使い的なものが多く,しばらく戦闘を忘れることも。郵便物を届けたり,材料が腐っていたパイを回収したりと,なんとも平和でのんびりとした雰囲気である。
目の前で繰り広げられる大河物語
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本作では,基本的にクエストをメインにプレイすることになる。クエストの種類は数多く用意されており,得られる経験値は,単にモンスターを倒すよりも多いため,色々なクエストを攻略しているうちにレベルが上がっていくだろう。 なお,序盤の多くのクエストは,ソロでクリアできるレベルなのだが,一部のクエストではフェローシップ(グループ)での攻略が推奨されている。当然難度も高いので,ぜひ仲間と共に挑戦してみよう。また,レベル15で挑戦できる,自分のクラス固有のソロ専用クエストなどもあるようだ。 そして,原作の“旅の仲間達”も登場することがあるという,メインストーリーとして,大河物語(エピック・クエスト)が用意されている。フロド達が滅びの山を目指しているとき,中つ国ではどのような出来事が起きていたのだろうか?
・クラフト(生産)
クラフトは,7種類の職種(防具職人,木こり,歴史家など)に分けられている。そしてそれぞれに,三つずつクラフトスキル(専門分野)が用意されている。 序盤にクラフト関係のクエストで訪れる生産関連のNPCが集まる場所に,“師匠”というNPCがいるだろう。そのNPCに話しかけ職種を選択すると,各クラフトスキルを習得し,下級生産用アイテムのほかに,ガイド(アイテム)が入手できる。ガイドを右クリックすると,選択した職種の簡単な解説が表示されるのでチェックしよう。その内容はなかなか面白いものになっている。 また,職種は後で変更することが可能だ,その場合,その職種にはないクラフトスキルは,その経験値や習得したレシピを含めて完全にリセットされてしまうので注意しよう。
クラフトスキルは,製品を生産するスキルのほかに,鉱石を掘り出すものや,木を切り出すものなど,素材を収集するスキルがある。この素材だが,実は職種一つでは揃わないことが多いのだ。例えば,武器職人には専門職として,鍛冶屋,採掘師(金属精製),木工師(木材加工)があるのだが,木材を加工するためには,素材になる材木を採集家のスキルで得なければならない。 そこで,ほかのプレイヤーとの取引が行われることになる。お互い所有するクラフトスキルで素材を集め,必要な素材を直接トレードしたり,競売で売買することで,プレイヤー同士のコミュニティが広がっていくだろう。
なお,生産方法については,材料を揃えるとクラフトパネルのレシピ項目が緑で表示されるので,スキルに対応した場所に移動し,クラフトスキルに対応したアイテムを装備すれば“作る”ことが可能だ。農耕の場合は,畑の種類(パイプ草畑,穀物畑など)によって場所が違うので,ミニマップで確認しておこう。
以下に,選択できるクラフトの対応表を掲載しよう。友人とプレイする人は,相談してお互いを補えそうな職種を選択するといいだろう。
防具職人 | 鋳造師 | 重装備防具の作成 | 採掘師 | 鉱石の採掘,精製 | 仕立屋 | 布/皮製防具の作成 | 冒険家 | 仕立屋 | 布/皮製防具の作成 | 採集家 | 木材の収集/加工,皮の加工 | 採掘師 | 鉱石の採掘,精製 | 武器職人 | 鍛冶屋 | 金属武器の作成 | 採掘師 | 鉱石の採掘,精製 | 木工師 | 木製武器の作成 | 風来人 | 宝飾師 | 宝石加工品の作成 | 採掘師 | 鉱石の採掘,精製 | 調理師 | 料理の作成 | お百姓 | 調理師 | 料理の作成 | 耕作人 | 農作物の栽培,収穫 | 仕立屋 | 布/皮製防具の作成 | 木こり | 木工師 | 木製武器の作成 | 採集家 | 木材の収集/加工,皮の加工 | 耕作人 | 農作物の栽培,収穫 | 歴史家 | 研究家 | 古代のロア(強化アイテム)や薬品の作成 | 鍛冶屋 | 金属武器の作成 | 耕作人 | 農作物の栽培,収穫 |
・特性(トレイト)/称号 特定の行動や,クエストの完了,一定数のモンスター討伐などで,その“功績”を達成すると,報酬として称号や特性を得られる。称号はキャラクターの名前に付加されるもので,好きなように変更できる。一方,キャラクターを成長させるものである特性は,街にいる吟遊詩人にお金を払って,スロットに装備する必要がある。スロット数は3種類(長所,種族,クラス)×5+2(伝説的)の17個と多くはなく,また,レベルによって,装備できるスロットは制限されている。そのため,これだという特性を入れ替えることになるのだが,それによってキャラクターの個性が出せるだろう。 なお,特性にはランクがあり,同じ特性が報酬になっている功績を達成させると,ランクが上昇し,効果が増す。まだ訪れていない地域では,簡単な行動であっさりとランクが上がることもあるだろう。時には別種族のエリアに赴いてみてはどうだろうか。
・モンスタープレイ
モンスタープレイは,プレイヤーがレベル50のモンスター(サウロン側)を操作し,自由の民(プレイヤー側)と戦うことができるPvPコンテンツだ。 キャラクターのレベルが10になると,プレイヤー(アカウント単位)にデスティニーポイントが追加される。このポイントでは,自由の民ならば,獲得経験値や移動スピードが上昇するなどの,“一時的”なボーナスを購入できる。モンスターの場合は,このポイントを使用することで,さまざまなスキルや特性などを取得できる,成長要素になっているのだ。このポイントは,プレイヤーキャラのレベル(10以上から)が上がったときに追加されるほか,モンスタープレイで,モンスターを倒したり,クエスト報酬や,自由の民を倒すことでも得られる。 なお,選択できるモンスター5種類はすべて(名前も)別々に作成され,プレイヤーは,自由の民に参加するキャラクターを含め10キャラクターで遊べるわけだ。
チャットウィンドウの分割,合体は,DDOでおなじみのインタフェースだ
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さて,今回の紹介にあたり,簡単にテストサーバーでプレイした。英語版などで遊んでみた人には,今更だろうとは思われるがお付き合い願いたい。 まず,インタフェースは,ダンジョンズ&ドラゴンズ オンラインで洗練されたインタフェースが,本タイトルに受け継がれている。アイテムが送付可能なメール機能もあるし,プレイヤーを検索するソーシャル機能も充実している(フィルターに自動的に値が入力されるのをON/OFFできればと思ったが)。レベルの上昇については,クエストの紹介でも触れたが,クエストを追うことで自然とレベル15まで上がり,苦労したという記憶はない。また,ログアウトしている時間に応じて,モンスターを倒したときの取得経験値が増加するというボーナスが加算されていく。 これは,時間がない人でも気軽に遊べるようにという配慮のようだ。プレイヤーが楽しむのは“指輪物語の世界”であり,“レベルを上げること”だけではないという,メッセージのようにも感じる。レベルが上がりやすいため,種族やクラスを替えて,じっくり世界を楽しむのもよさそうだ。
ときにはホビットのように,歌って踊る毎日も楽しいだろう
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話は変わり,懸念されていた翻訳部分に関してもお伝えしておこう。正直,やはりまだ整ったものではない印象を受ける。もちろん,プレイしたのがテストサーバーなので,仕方のないことではある。当然のことながら,本サーバーでそれらは今後,急ピッチで調整されていくだろう。しかし,そのテキスト量は膨大なもの。βテストに参加する人は,気になるところがあれば,テスターとして報告してみてはどうだろうか。正式サービスに向けて,指輪物語ファンによる,指輪物語のための報告で,素晴らしい中つ国になることを期待したい。
全世界でほぼ同時に動き始めている本作。海外でもレベル制限があったため,高レベル帯に,どのような展開が待っているのか,どのように遊ぶのかは,まだ誰にも開拓されていない,まさに「未知の領域」なのだ。レベル40から始まるという,自由の民とサウロンの軍勢との戦争を含め,コンテンツの半分以上は,これから,プレイヤーのみんなで切り開いていくのだ。
今後4Gamerでは,LotROについてさらに詳細を追っていくつもりだ。原作/映画からの指輪物語ファンも,LotROから指輪物語に興味を持った人も,今後の記事に期待してほしい。(Nobu)
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ロード・オブ・ザ・リングス・オンライン アングマールの影 |
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■価格:ダウンロード版 3000円(税込) 利用料金:1500円/1か月(税込) |
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THE LORD OF THE RINGS ONLINE(tm): SHADOWS OF ANGMAR(tm) interactive videogame c 1995-2007 Turbine, Inc. and patents pending. All rights reserved.Middle-Earth Poster Map c 2007 The Saul Zaentz Company, d/b/a TolkienEnterprises (SZC), under license to Turbine, Inc. All rights reserved. "TheLord of the Rings Online", "Shadows of Angmar", The Watcher logo, "The Lordof the Rings" 及びキャラクター、イベント、アイテム、場所の名前はSZCの登録商標または商標で、Turbine, Inc. が使用許可を受けたものです。Turbine及びTurbineロゴは米国及びその他の国における登録商標または商標です。 SAKURA Internet及びSAKURA Internetロゴはさくらインターネット株式会社の商標です。その他記載されている会社名、製品名、ロゴ等は各社の商標または登録商標です。その他すべての商標はそれぞれ所有者の所有物です。 |
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