インタビュー
どうして真島が「海賊」に? 「龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii」について,龍が如くスタジオ代表/制作総指揮・横山昌義氏ら3人に聞いてみた[TGS2024]
「龍が如く8外伝」ほか,シリーズ作品の最新情報を公開。豪華キャスト陣が登壇した「RGG SUMMIT 2024」の模様をレポート
セガは2024年9月20日,龍が如くスタジオが手がけるタイトルの最新情報を公開するイベント「RGG SUMMIT 2024」を,東京都内で開催した。イベントでは,シリーズ最新作「龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii」のほか,実写ドラマ「龍が如く〜Beyond the Game〜」の最新情報なども明かされた。
「龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii」TGS 2024出展バージョンを試遊してきた。真島吾朗らしい”狂気の展開”がさらなる謎を呼ぶ[TGS2024]
本日より開催されるTGS 2024会場では,「龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii」の試遊出展が行われている。4Gamerでは,事前に出展バージョンを体験する機会を得たのでプレイレポートをお届けしよう。幕張メッセに足を運ぶ人にとって,限られた試遊時間を存分に楽しむための参考になれば幸いだ。
これらは多くの人々の注目を集め,また大いに驚かせたのは確かだが,一方で「8外伝」という作品の謎を深めたようにも思われる。どうして真島が「海賊」になるのか。また現代においてクラシカルな帆船での海賊行為は成立するのか……?
幸いなことにTGS 2024の会場にて龍が如くスタジオ代表/制作総指揮・横山昌義氏,「龍が如く8外伝」チーフプロデューサー・阪本寛之氏,「龍が如く8外伝」プロデューサー・堀井亮祐氏の御三方に話をうかがうことができたので,その内容をお伝えしよう。
左から横山氏,堀井氏,阪本氏 |
4Gamer:
今回の「龍が如く8外伝」はまたすごいというか,不思議な感じというか。「どういうことだ?」と思った人は多い気がしています。
横山昌義氏(以下,横山氏):
いや,根本ははわりと順当な話なんですよ。将来「龍が如く9」が出るとして,それはきっと春日一番の話になるでしょう。そこで春日がハワイの話の後始末をするってのは「ない」と思うんですよね。
4Gamer:
2作続けてハワイになってしまいますね。
横山氏:
それでハワイの事件の後始末をさせるなら,堂島大吾,冴島大河,そして真島吾朗あたりかなと思ったんです。その中で誰が主人公かなとなったら,やはり真島だろうと。もちろん,絵面として海賊が似合うからってのもありますよ(笑)。ただ感覚としては「8」がメインストーリーだとすれば,「7外伝」「8外伝」は超大規模なサブストーリーという感じで,奇をてらってこうなったとか,作りたい遊びに合わせたとかではないんです。
4Gamer:
ただ少年と魅力的な悪党。この組み合わせは海洋冒険もののド定番だなと。
横山氏:
そう見える感じも,まあありますかね。でも言ってしまえば今回,真島は「8」のお話からの流れでハワイに行くことになるんですけど,途中で事故にあって記憶喪失になってしまい,そのとき出会った少年ノアの夢を叶えてやるため,おじさんが頑張るというお話なんですよ。夢と共に生きるって感じで。ただ,海を舞台にはしてますけど,そこはちゃんと「龍が如く」らしい裏社会の抗争のお話にはなっています。
4Gamer:
なるほど,これが「維新!」のようなスピンオフだったら時代も変えるところですね。
横山氏:
そうです。要は海賊と言っているけど,実態は海賊的なことをしているマフィアなんです。マッドランティスも裏社会のたまり場として機能している街で。もちろん途中途中で海賊の宝のエピソードとかも出てきたりはするんですけど。
阪本寛之氏(以下,阪本氏):
よく抗争のことを「シマ争い」って言うじゃないですか。今回はマフィアを相手に実際に「島を争う」んですよ。あとロバートの秋山竜次さんが演じるマサル・フジタもミナト区系女子のコンテンツではひょうきんなところを見せますけど,それはキャラクターとしての幅であり,彼はメインストーリーでも重要な人物になってきます。
堀井亮祐氏(以下,堀井氏):
あれ単体で楽しいだけでなく,マサルという人物を掘り下げる位置付けでもあるんですよね。
4Gamer:
そう聞くと,PVや体験版の印象に引っ張られすぎていたかもしれません。
横山氏:
それでもゴロー海賊団という,マサルやジェイソンがチームメイトとしている船団みたいなものを作っているのは確かなので,それがどんな風にお話に関わってくるのかは今後のお楽しみにしておいてください。
4Gamer:
ちなみにマッドランティスはどういう位置づけのロケーションになるのでしょうか。
横山氏:
ストーリーを進めていくとオープンになる場所なんですけど,今までで言えば普通に神室町とか異人町とか,そういうニュアンスの場所なんです。いろいろ遊ぶスポットもあれば,敵もいるという。ストーリーが進むと出てくるより治安の悪い街,といった感じです。
堀井氏:
TGSの体験版でもちょっと歩けますけど,本当に入口くらいの範囲なんです。奥にいけばうちの作品らしい,よりアングラな感じな場所とかがあります。デザイナーもすごく頑張ってくれました。
4Gamer:
入り口付近だけでもなかなかハードな雰囲気でしたね。
横山氏:
イメージとしては老朽化した船が捨てられている,船の墓場として作り始めたんです。でも,初期は遊園地みたいな雰囲気になってしまって。そこはかなり気合を入れて作り直しました。とくにこだわったのは水面にゴミや油が浮いているような汚さで,だいぶ雰囲気が出たと思うので,しっかり見てもらえると嬉しいですね。
4Gamer:
確かに街のムードは印象的でした。なお今回は東京ゲームショウのタイミングということで,試遊版に関するお話も聞かせてください。バトルはとんでもない爽快感になっていますね。
堀井氏:
ありがとうございます。狂犬スタイルとパイレーツスタイル,この2つを軸にすることはこの題材にする時点から決めていたんです。真島は基本的にはずっと敵キャラとして出ているので,プレイヤーとしてはその技を使ってみたかったというのはあると思うんです。分身や空中から襲ってくる感じも,ファンサービスってわけじゃないんですけど,やはり真島の狂犬スタイルは,あれがあってこそだと思います。
阪本氏:
以前も真島を操作できるゲーム自体はあるんですけど,真島単独主人公の話で,真島だからできることを見直し,最新の制御で楽しめるものとなりました。コンボとかも今回途中で分岐したり派生するものがあったりして,アクションゲームとしての手触りは一番よくなったはずです。
堀井氏:
あとは主人公が変わっているので,そこの差はちゃんと出るようにチューニングしています。
4Gamer:
そしてパイレーツスタイルのカトラスも,振り下ろし,突き,切り上げてと,両手での流れるような攻撃が気持ちよかったです。
堀井氏:
パイレーツスタイルに関しては完全に新しく作っているんです。和風の刀ではなく,ちゃんと洋風の斬撃アクションとして新規に作っていますので。やはりキャラが真島なので,派手でユニークな魅力をナチュラルに出せたのかなと思いますね。
4Gamer:
今回の体験版ではその他にもドラゴンカートやクレイジーデリバリー,カラオケなども楽しめるそうですが,カラオケでは今回も堀井さんが作詞されているのでしょうか。
堀井氏;
もちろんです。「24時間シンデレラ」のような真島のアイドル曲路線の新曲で「36.5度の太陽」という曲があります。真島を演じる宇垣秀成さんが歌っているんですけど,歌詞に感動してちょっと泣いたとおっしゃっていました。
4Gamer:
そこはやはり堀井ワールドというか,グッとくるファンも多そうです。
阪本氏:
ただ,あの曲は難度がめっちゃ高いですよ(笑)。
4Gamar:
ドラゴンカートはスジモンたちも参戦していて,再会が少し嬉しかったですね。製品版では物語要素もあるのでしょうか。
阪本氏:
ドラゴンカートらしいライバルとの競い合いの話があります。
堀井氏:
あとは舞台がハワイになったことで,コースがだいぶ広くなって走りやすいと思います。横浜の道は少し狭かったかなと。前回なかったモードも増えてパワーアップしていたりと,こちらもすごく良くなっていると思います。
4Gamar:
クレイジーデリバリーも真島というキャラだと味わいが変わってきますね。
阪本氏:
あれも加速するゾーンなどが加わって,前作を遊びこんだ人も長く遊べる要素になっています。
4Gamer:
そろそろお時間が迫ってきましたが,TGS 2024でブースに遊びに来る人に伝えておきたいことなどはありますか。
横山氏:
土日には宇垣さんやファーストサマーウイカさんがゲストで来て,いわゆるミュージカルショーをやるんです。じつは今回のオープニングムービーがミュージカル仕立てになっていて,それをステージで実演するんですよ。ほら,海賊とかって歌うイメージがあるでしょう? 生で見られるのはおそらく最後の機会になると思うので,ぜひ楽しんでいただければと思います。
堀井氏:
今回海賊というテーマに驚いた人もいると思うんですけど,ドラマが熱かったり,いつものノリもちゃんと入っていますので。そして初めての方もちゃんと楽しませますので,ぜひ楽しみにしていてください。
横山氏:
おそらくTGSのバージョンではお話とかさっぱりわからないと思うんですけど(笑),それでいいんです。「龍が如く」は,敵に近接して強打するフルコンタクトアクションで続けてきました。けど,そこから一歩踏み出して,ジャンプや高さの概念が入り,距離の概念も変わってきます。これは「7外伝」でもトライしてましたけど,より洗練できたんじゃないかなと思っていて。だからアクション部分をぜひ味わっていただければと思います。もちろん,3時間並んでカラオケをずっと遊ぶとかでもいいんですよ?(笑) それもいいんですけど,今回ばかりはアクションを味わってほしいなと思っています。
4Gamer:
ありがとうございました。
「龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii」公式サイト
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