●Preview#31:Sudden Strike II
Text by 奥谷海人
人気のリアルタイム戦略が文字通りの"日本進出"!
CDV
Softwareが発売し,お膝元のドイツは元より日本を含めた世界各地でスマッシュヒットとなったリアルタイム戦略ストラテジーの「Sudden
Strike」。大量の兵器や兵士たちが画面を埋め尽す様が非常に印象的な作品だが,後にアドオンパックとして「Sudden Stirke Forever」が発売されたり,同じゲームプレイを応用した「コサックス」が続くなど,定期的なリリースが確実に固定ファンを掴んでいるようだ。日本でもズーによってシリーズの日本語版が発売されているが,さらにこのライブラリーに加わることになるのが,期待される「Sudden
Strike 2」である。
開発を担当しているのは,これまでシリーズを手掛けてきたFireglow Studios社で,ここは最近技術力の発達が目覚しい東欧ハンガリーの開発チームである。今回のシナリオは,より歴史的な事実に即したキャンペーンとなっていて,5か国の軍隊にそれぞれ違ったものが用意されている。前作と同じように,アメリカ軍,イギリス軍,ドイツ軍,ロシア軍が登場するが,我々にとっての目玉はなんといっても「日本軍が登場してプレイ可能になっている」ことだろう。もちろん,それぞれの軍隊は当時のままのユニットが選択できるようになっており,とくにマルチプレイヤーモードでは,ジャングルに埋もれて見えにくいカーキ色の制服に身をまとった日本軍とアメリカ軍との白兵戦などで熱い戦いも予想される。
基本的なゲームプレイは前作を踏襲しており,一つのマップに最大で1000ユニットが登場したり,家屋や橋から樹木にいたるまでのオブジェクトを破壊できるのも,前作通りの仕様である。公式のプレスリリースでは第2四半期中にはドイツで発売される予定になっているが,最新作に関する情報はほとんど出ていない。それでも,現在知り得る限りのことをプレビューしてみよう。
細かい部分にまで注意が払われたリアリズム
実際のところ,ゲームエンジン自体にどれほど進化があるのかは画面写真を見てもわかりづらく,アイソメトリック視点の2Dゲームであるのは変わりない。しかし,今回の目玉はなんといってもディテールの細かさで,地形やオブジェクトが前作以上のディテールに富んでおり,貪欲なほどリアリズムが追求されているようだ。
まず,小さな火力のタンクでは大きなタンクを粉砕することは難しくなっているなど,物理的にも納得がいくように調整された。さらに,一つのモデルが細かいパーツで形成されているという利点を生かし,各兵器ユニットに弱点があるというのも面白い。主力部隊を使って前面を防御しながら,突撃部隊を使って背後に回り込んで敵を攻撃するなどといった,戦術要素が高まっているのである。
面白いのは,自軍のユニットが味方に対して援護射撃をするようになったことだ。例えば歩兵とタンクがグループとして前線に送りこまれたなら,ユニットの強弱に合わせたフォーメーションを組んで戦ったり行進したりする。つまりこの場合であれば,歩兵ユニットたちはタンクの背後に続く形で行軍していくというわけだ。スナイパーがタンクを狙撃することがなくなるなど,細かい部分での調整も見られる。
ユニットのアニメーションも細かくなっているのが分かるが,今回から,兵器には実際にオペレーターが搭乗しておらなければならず,飛び立つ爆撃機に乗り込むパイロットがいたり,タンクから出てくる兵士なども登場するという。また,本作では敵の兵器を襲撃して乗っ取るというようなプレイも可能になっている。海上ユニットもコントロールできるようになったし,飛行ユニットは味方が掌握している飛行場へ離着陸するようになっている。これによって,海上からの攻撃や爆撃機による前線支援などのシーンにも出会えそうだ。
日本軍の追加と引き換えでフランス軍がなくなった形となっているが,Sudden Strike 2では,すでに全部で40種以上のユニットが追加されている。個々のユニットには"経験"という概念もあるようで,体力パラメータに加えて"Troop
Moral"と呼ばれる士気メーターが存在している。2人の歩兵がタンクに搭乗する場合は,2ユニットの士気メーターの中間を取って,タンクの士気とするようだ。
パッと見は同じに見える「2」だが,ありとあらゆる細かい部分に改良が加えられ,まさに新作と呼ぶにふさわしいものになっているといえるだろう。順調に発売されることを期待したい。
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