PRAETORIANS

●Preview#4:PRAETORIANS

Text by TAITAI

クリックすると拡大します  E3会場では,時間がないにも関わらず,隙を見ては「PRAETORIANS」のブースに足を運んでいた筆者であったが,どうやら開発者に顔を覚えられてしまったらしい。あれだけ何度も通って質問を繰り返せばそれも当然か……。新しいScreenshotsを何点か送ってもらったので,前回「ここ」で書き切れなかったことを含めて紹介しよう。

「指揮官」の概念が新しい

 部隊制の戦術級ゲームであることは以前の"速報"で触れた部分だ。これらの部隊に細かい戦い方の指示を下せるところが,このPRAETORIANSの興味深い箇所だといえるだろう。
 しかし,それだけではなかった。
 このゲームには,一般的な兵隊とは別に,各部隊への指揮効果を持つ"指揮官"が一個のユニットとして登場する。そして,この作品における指揮官の扱いが,従来のストラテジーで見られるような"部隊の長"ではない点が大きなポイントになる。完全に一個のユニットとして登場し,どの部隊にも属すことはないのだ。
 では,なんのためのユニットなの? となるわけだが,どうやら,指揮官は部隊へ行動の指示を出すときに必要なユニットであるようだ。つまり,指揮官はそれぞれが"指揮範囲"を持ち,その範囲下にある部隊は,下された命令をより素早く的確に行うというわけだ。敵と対峙して布陣したときに,指揮官をどのポイントに配置させるかで戦局が大きく左右されるのかもしれない。

野戦だけじゃない,攻城戦も目玉の一つ

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 陣形を駆使した野戦が面白そうなPRAETORIANS。しかし,E3で行われていたデモンストレーションでは,城壁を挟んだ激しい攻防の場面が多く流れていた。石を発射するお馴染みの攻城兵器である"投石機"はもちろんのこと,城壁上の敵を攻撃するために作られた移動式の巨大な昇降台や,城壁を登るための梯子など,実際の戦闘でも使用された多くの攻城兵器が用意されているようだ。攻城兵器の細かいユニットアニメーションも非常によくできたものだったが,城壁上の弓兵の射る弓矢が弧を描いて飛んでいくのも,非常に滑らかで上手く表現されていた。「ここ」に直撮りのムービーUpしておいたので,わずか35秒のものではあるがぜひ見てみてほしい。
 攻城戦マップを使った対戦も行えるようで,その場合は攻守に分かれた特別の対戦ルールが適用されるとのこと。戦術的に見ればどう考えても防御側が有利なだけに,一体どういったルールが用意されるのか,次なる新情報が待ち遠しいところだ。

 また,画面からも薄々感じることが出来るかもしれないが,この作品は単に歴史上の出来事を忠実に追っていくヒストリカルなゲームではなく,あくまでも"歴史"を題材にして"ゲーム"としての側面を強くしているようだ。だからといって,歴史の持つ浪漫的な奥ゆかしさを軽視しているわけでもないように見受けられた。ちなみに古代を題材にしたゲームは,これまで箱庭系の国家を運営していくタイプばかりが発売されてきた。戦闘部分だけに絞ってゲーム化をしているPRAETORIANSは,この点だけでも希有な作品だということができるだろう。
 また,完全に3D表示のゲームでありながら,この作品では視点の拡大や回転など,3Dならお約束の機能を完全に排除しているらしい。演出よりもプレイアビリティ,という見解なのかもしれないが,このような設計思想は,さすがは"COMMANDOSのPyro Studio"。来年(予定)の発売が楽しみである。

 

 

 

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