●Preview#1:Age of Mythology詳細情報 2/2

Text by TAITAI

ド派手なエフェクトを放つ"神の奇跡"
――RTSのゲーム展開にどう影響する?

クリックすると拡大します  AoMでは,信仰する神の力を借りて,魔法のような"奇跡"を起こすことが可能になる。敵に向かって強力な稲妻を落としたり,隕石で一気に敵を吹き飛ばしたりするものを確認できたが,これらの奇跡がゲームの勝敗に大きく関わってくるのは,まず間違いないだろう。これまでのシリーズの概念を根底から覆すゲーム展開を期待できる。エフェクトもファンタジーらしいハデめのものとなっている様子だった。
 特に稲妻を落とすときなど,まず画面が薄暗くなってその後に雨が降り始めるなど,細かすぎるほどの凝った描写がとても印象に残った。ただ,神の奇跡を呼び起こすには一定の信仰値が必要になるようで,それほど頻繁には使えないとのこと。当然といえば当然だが,使う時期と場所は慎重に選ばねばならないようだ。
 それに関連し,この"奇跡"はいつでもどこでも使用できるわけではない。ゲーム中に登場するヒーローユニットが,神と交信して奇跡を呼び起こすようお願いしなければならないのだ。つまり,ヒーローユニットのいる範囲でのみ,奇跡を発現させることができるらしい。ただ,ヒーローユニットというものについて,神と交信できる強いユニットとまでは解ったのだが,より具体的にはどういうユニットでどういう扱いなのか(いくらでも生産できるのか,など)までは,残念ながら情報を得ることは出来なかった。
 なお神の奇跡とヒーローユニットは,選択する文明ごとに異なる物が複数用意されているようだ。

単に綺麗になっただけじゃない
――細かい視聴覚エフェクトもパワーアップ

クリックすると拡大します  とにかく圧倒的なクオリティを見せつける,AoMの3Dグラフィックス。先ごろUpしたAoMのムービーを見てもらえれば分かるだろう。神の奇跡を使ったときの爆発や落雷のエフェクトも派手で凄いのだが,その他細かい部分の描写が非常に細かく表現されているのも見逃せない。浜辺にうち寄せる波や,材木を採集するときの木を切り倒すアニメーションなど,細かい点に開発者の"拘りの意識"を見取ることができる。前作の「Age of Empires2:The Conquerors」でも職人技的なグラフィックスレベルを見せていたものだが,AoMの美しさはそれとは全く比較にならないほどである。3D化したことにより,視点の切り替え機能も追加され,より迫力のある戦闘シーンを楽しむことができるようだ。
 また,細かい拘りはゲーム的な部分にも生きている。例えば,以前は研究で武器の開発を行ったとしても,ユニット自体の見た目が変わることはなかった。しかし今回は,研究を行えば,研究した武器や防具をユニットが実際に装備したグラフィックスになるのだ。要するに,新しい盾を研究すれば歩兵は盾を装備するようになり,槍を研究すれば槍を持つといった具合である。ビジュアル的にも大きな進歩ではあるが,ゲーム的にも一目で相手の戦力状況を掴めるということもあり,無視できない要素だと個人的には感じた。
 さらに今回は,ビジュアルだけでなくサウンドの面での進歩も著しい。特に,大軍同士が激突したときに湧き起こる「ワアァァァッ!」という声は,筆者的にポイントが高い嬉しい追加要素だった。

もっと便利に,もっと快適に
――プレイアビリティにも気を遣う

クリックすると拡大します  Ensemble Studiosの"Ageシリーズ"は,回を重ねるごとに様々な新機能が追加され,より快適なプレイができるよう進化を続けてきた。同社の最新作となるAoMでも,シリーズのこの伝統は受け継がれており,いくつかの細かい便利システムが搭載されている。
 まず目立ったのは,Ctrl+数字キーなどでユニットグループの番号振りを行ったときに,画面の上部に"軍団タブ"が表示されるようになっていた点だ。これまではキーボードを駆使しないと操作が行えなかったユニットグループへのジャンプが,マウスでも行えるようになっているのである。操作的な便利さはもちろんのこと,ユニットを把握するための視認性の意味でも,この追加機能は非常に素晴らしいアイデアに思えた。個人的には,見た瞬間に「こりゃ,いい」と即座に感じた要素。
 次は,ユニット単体を選択したとき。
 これまでのシリーズでは画面の下部の欄に攻撃力や防御力などステータスが表示されるのみであったが,今回はユニットの得手不得手を表す"ユニットの相関図"が簡易的に表示されるようになっていた。つまり,説明書などほかの資料を見なくても,ゲーム中に簡単にそのユニットが何に強くて何に弱いのか即座に分かるように改良されているのである。これもまた素晴らしい追加要素だ。

 個人的な見解で恐縮だが,悪いところを改良するということは,ある意味とても簡単な作業だといえる。しかし,不満が出ていないところをさらに改良し,より快適なプレイスタイルを次々とユーザーに提示していく作業は,恐らく膨大な労力と高い志が必要になってくるだろう。Ensemble Studiosは,飽くなき向上心を見せる世界有数の素晴らしい開発会社であることを,今回,AoMを取材するにあたって思い知った次第である。
 そんな会社が製作を手掛けているAge of Mythologyだ,期待しないわけにはいかないだろう。発売はまだ未定とのことだったが,じっくりと完成を待つ価値は十二分にある。

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