NVIDIA,PCI Express対応製品の発売を発表 - 2004/06/23 20:09

 2004年6月23日,NVIDIAはPCI Express対応製品を搭載したビデオカードが今月中にも大手ビデオカードメーカーから発売されることを発表した。

 NVIDIAのPCI Express対応製品としては最新のGeForce 6800シリーズおよび旧製品で対応したGeForce PCXシリーズがある。GeForce 6800シリーズは,
GeForce 6800 Ultra
GeForce 6800 GT
の2種類,PCXシリーズには,
GeForce PCX 5900
GeForce PCX 5750
GeForce PCX 5300
の3種類があり,これはそれぞれFX 5900,FX 5700,FX 5200をベースにPCI Expressブリッジを載せた製品だと思えばいいだろう。これらのGPUを搭載した製品は,以下のメーカーから発売される予定だ。

Albatron Technology
Aopen America
Anextek
ASUS Computer International
BFG Technologies
BioStar
Chaintech Computer
eVGA.com Corporation
ELSA
Gainward
Gigabyte Technology
Jaton
Leadtek Research
MSI Computer Corporation
Palit Microsystems
PNY Technologies
Prolink
Sparkle
XFX

■PCI Expressとは?

 PCI Expressバスというのは,かつてシステムバスの本流として君臨したPCIバスの後継となる標準バスだ。
 33MHzで32ビットのパラレルな信号線を使ったPCIバスは,最大133MB/secの帯域幅を持っていた。かつてはインテルTritonチップセットなどの大流行によりPCの基本バスとして定着し,CPU − ノースブリッジ(メモリ) − サウスブリッジ − 周辺I/OなどがすべてPCIバスに乗っていた時期もある。しかし,PCの性能が求められてくると,すべてのやり取りを1本のバスでやるのは苦しくなってきた。
 ノース − サウス間を専用バスにしたり,グラフィック専用高速バスでAGPを作ったり,高速I/Oでは64ビット,66MHz版の拡張PCIバスを使うなどされてきたが,標準的な超高速バスが求められていた。
 PCI Expressは超高速バスのトレンドにならい,超高速なシリアルバスによるP2P(Point to Point)接続となっている。つまり信号線を減らして信号線相互の遅延の影響を解消し,1本のバス上に機器をつなぐのではなく,機器ごとに専用の線をつないで最大限の速度を確保する仕様だ。信号線を増やすことでスケーラブルに拡張することもできる。複数の線を束ねる場合,1パケットごとに別の線に流す方式なので,信号線間の遅延はパラレルバスほど致命的ではなく,拡張しやすい仕様となっている。

 PCI Expressの帯域幅はとりあえず線1本あたり2.5Gbps(312MB/sec)を基本とし,これを束ねていく仕様だ。これを16本束ねた場合(PCI Express X16 Graphics Interface)は5GB/secとなる(PCI Express自体の仕様上は32本まで可)。なお速度については,インテルやNVIDIAの発表では4BG/sec以上という表現になっているようだ。ただし,本来送信と受信で独立して動作するバスのため,送受信とも4GB/sec以上になるべきものなのだが,現状のNVIDIAのPCI Expressはブリッジチップを介してAGP8Xに接続されているため,送信と受信を並行して行うことはできないようだ。
 現実問題としては,それで問題になるようなアプリが存在しないので,当分はあまり問題になることはないだろう。
 PCI Express自体はグラフィック専用のものではないが,グラフィック用の仕様ではバス上に40Wまでの電源が確保されている。これにより,ビデオカードの電源不足で電源コネクタを別途つないだりする必要はなくなる。
 なお,当然ながらこれらのビデオカード単体だけあっても動かないので,PCI Express対応のマザーボードも必要だ。PCI Expressは,インテルのチップセットでいうとi915G/P(Grantsdale),i925X(Alderwood)で実装されている。(aueki)

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