[ECTS速報#2]SimVille - 09/02 21:27


 "シムピープル"の人気にあやかって"二匹めのドジョウ"として期待されているかのような雰囲気も漂う「SimVille」だが,シミュレーションゲームとして見て完成度の高い作品になりそうだ。雰囲気としては,"シムピープル"と"シムシティ"の間に位置するようなゲームとなり,小さな町に建物やアトラクションを建てることで人々(シム人)をこの町に呼び込み,より多くの税金を獲得しながら町や人を成長させていくわけだ。

 ゲーム開始後,プレイヤーはシムシティのように家などを建てていく。生活に必要な雑貨店などを用意することで,シム人がこの町にやってくるわけだ。ちなみに現在のところ,当初プレイヤーに与えられる資金は8万ドル。一番安い住宅物件が8000ドルという相場である。
 しかしシムシティと違うのは,この地に移住してくるシム人たちはシムピープルのようにパラメータが設定されており,それぞれに得意の職業などがあるという点。この職業レベルは,従事する期間によって向上していき,その人の生産性も上がっていくのである。つまり,プレイヤーがシム人たちの能力を生かせる職場を提供してあげることで,その業務に慣れ親しんだ個人個人の生産性が上がっていき,それにつられるように町の消費文化も成熟するため,大きな建物を建てるための税金も貯まっていく……というのがSimVilleのゲームプレイの核になる部分なのだ。
 しかもシムピープルのゲームデータがあるならば,なんとSimVilleは自動的にその中の家族を取り込んでくれるという。しかしSimVilleにおいては,性格や生活パターンを変更させるような能力はプレイヤーにはなく,彼らの好みに合わせなければいけないという大きな違いがあることを忘れずに。岡田家の自宅からマーケットまでの場所が遠すぎれば,岡田さんは別の町に引っ越すことも考え出すだろう。実際,会場のデモで適当に家やショップを配置してみたが,あまり計画性がなかったためか16人以上の町に発展することはなく,多くのシム人が「町のデザインが悪い」という不満を持っていた。
 なおシム人は,近い距離なら歩くが,職場やショッピング施設が遠ければ自動車を盛んに使うようになるらしい。SimVilleでは自動車が大きな要素となっており,3人の子供のいる家庭ならミニバン,独り者のビジネスマンはスポーツカーなど,その人の家族構成によって保有する車種が変わってくるし,家族の収入自体によっても自動車の所有率が左右されることになるという。眺めているだけでも楽しそうだ。
 プレイヤーがどれだけシム人たちの期待に応えてあげるかで町が発展していくのだが,住人が多くなるほど全員の意見を聞き入れるのが困難になるというゲーム性が面白い。マネージメントが悪ければ,資金不足で町の発展や維持ができなくなり,落書きが増えたり酒屋やバーに不健康そうな人間たちがたむろしたりするようなことになってしまう。もっとも,そうなっても資金面以外のペナルティはなく,プレイヤーの好みの町を作ってしまえば良いのだが。

 さらにシム人たちには様々な要求があって,自動車修理工場で働いていた若者が仕事の面白さに目覚めて独立したいと願い出たり,子供の遊び場がなくて退屈していると子を持つ主婦が言い出したりと,プレイヤーには課題がどんどんと溜まっていく。シム人達のビジネスがうまく起動に乗れば,それに従って雇用人数も拡大していくなど,町が自然に大きくなっていくということも起きるだろう。ちなみにデフォルトでは1秒あたり1分のゲーム時間が経過していくが,ほかのSimシリーズ同様,時間の経過を早くしたり止めたりといったこともできる。
 ゲームエンジンは完全に3Dグラフィックスとなっているものの,どこかほのぼのとした手書きのような色使いがMaxis"らしい"。町を左右に90度づつ回転させたりスムースにズームさせたりすることもできる。インタフェース自体は,"シムピープル"や"シムシティ3000"をプレイしたことがある人なら非常に馴染みやすいようにデザインされている。発売は,2002年の初頭予定だ。
C 2001 Electronic Arts, Inc. All Rights Reserved.


友達にメールで教えよう!
←Back to Daily News
←Back to News Archive